東洋製罐、アルミボトル缶市場に参入 50億円投じ、来年1月から量産

 東洋製罐が来年1月からアルミボトル缶の量産出荷を開始する。約50億円を投じて国内拠点に製造ラインを新設し、アルミボトル缶市場に参入する。中井隆夫・東洋製罐グループホールディングス社長が8日に開催した決算会見で明らかにした。

 国内のアルミボトル缶市場は、缶コーヒーメーカーがラインアップの拡充を進める中で2016年に29億5千万缶(10年比56%増)に拡大しており、17年は31億缶に達するとみられている。需要拡大が濃厚な中、東洋製罐も「ボトル缶は市場での市民権を得た。我々もラインアップしなければ顧客ニーズに応えられない」(東洋製罐GHD幹部)として、アルミボトル缶市場への参入を決めた。

 投資金額は、建屋建設や新設備の導入などで総額50億円。具体的な設置先や年産能力などは非公表としたが、来年1月から量産出荷を開始する計画。同社はすでに2000年代半ばにスチール製ボトル缶「TEC200」(タルク缶、200ミリリットルタイプ)を市場に投入しているが、来年1月から出荷するのは大型の2ピースタイプ(非タルク缶)のアルミボトル缶となるもよう。

 東洋製罐の市場参入により、大和製罐、ユニバーサル製缶、武内プレス工業の4社がアルミボトル缶を手掛けることになる。同市場では各社が新ラインの増設を進めているほか、充填側のボトル缶対応力が上がっており今後のさらなる需要拡大が期待されている。

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