化血研譲渡、地元出資案が最有力 理事長、従業員に説明

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 血液製剤の不正製造問題で、国から事業譲渡を求められている化学及血清療法研究所(化血研)が、県外の大手企業や複数の県内企業が共同出資する新会社案を譲渡先の最有力候補としていることが9日、分かった。新会社案を優先して、資産などの適正評価手続き(デューデリジェンス)に入る。12月にも評議員会を開き、譲渡案を諮る方針。

 同日、熊本市北区の本所であった従業員向け説明会で木下統晴理事長が考えを示した。

 化血研は10月19日の評議員会で、国内製薬会社などから10件以上の譲渡案が寄せられ、このうち県内企業が参画する新会社案など4案を検討していることを説明していた。

 新会社案は出資比率が大手企業49%、複数の県内企業による地元連合49%、県2%。大手には傘下に製薬会社「Meiji Seika ファルマ」を抱える明治ホールディングス(東京)が有力視されている。

 化血研は事業譲渡に関する従業員説明会を9日を皮切りに数回開催する計画。初日の説明会は非公開であり、出席者によると、木下理事長は「新会社案は雇用や事業を守る上で、県と県内企業が拒否権を発動でき、内容が最も優れている」と説明。

 さらに、新会社は外部出身者が取締役に就き、化血研の全従業員や土地、建物などが移行、ワクチンの開発生産など現在の主要事業を引き継ぐとした。一般財団法人としての化血研は、奨学金事業や大学・医療機関への支援などに新会社と協力して取り組むという。

 候補に挙がっている他の案については、相手企業の100%出資子会社に譲渡する案も含まれているが、木下理事長は「雇用や事業を守る上で若干、不安が残る」などと述べた。

 化血研の広報担当者は「先の評議員会の説明内容を共有した。内容は控えたい」と話している。(猿渡将樹)

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