「子どもの権利の日」にちなみつどい 相模原

 子どもの権利条約を施行して3年目を迎えた相模原市で10日、「子どもの権利の日」にちなんだつどいが同市中央区のあじさい会館で開かれた。子どもの権利相談室や、児童虐待防止対策などの取り組み状況などが報告された。同市の主催。

 最初に活動の報告が行われ、子どもの権利相談員が登壇。2015年に市立青少年学習センター内に開設された権利の侵害に関する相談・救済窓口「子どもの権利相談室」=子ども用電話(0120)786108=を紹介した。16年度の新規相談は86件で、継続と合わせると計173件だったことを報告。相談電話の中で「きょうテストで100点を取った、と話す子もいる。身近な大人に話せていない」と指摘し、親の共働きなどで家庭内の意思疎通が難しくなっている一端を紹介した。

 また、外国につながる生徒の多文化学習活動センター「CEMLA(セムラ)」の取り組みについて、県立相模原青陵高校の教諭と生徒2人が発表した。

 後半には、茨城県の前高萩市長で東北福祉大の特任教授が講演。「行政は(完全を意味する)防止という言葉を簡単に使うが、無理がある」という見解を表明。「大切なのは、いじめなどの問題が起きたとき、(大人や関係者が)どう動くか。防止につながる手だてを見つけていくことだ」と強調した。

© 株式会社神奈川新聞社