【MLB】マリナーズ番記者がイチローの古巣復帰を再否定「寄る年波には勝てない」

マーリンズからFAとなったイチロー【写真:Getty Images】

唯一考えられるシナリオは「イチローが引退を決意した時」

 マーリンズからフリーエージェント(FA)となり、来季の所属先を探すことになったイチロー外野手。44歳を迎えたばかりのメジャー最年長野手が、「最低でも50歳」まで現役生活を続けると公言していることは広く知られている。史上30人目となるメジャー3000安打に達した“レジェンド”が来季はどこでプレーするのか。その候補先として、しばしば名前が挙がるのが古巣マリナーズだが、MLB.comで番記者を務めるグレッグ・ジョンズ記者は10日(日本時間11日)、ファンとの質疑応答のコーナーで、改めてイチローの古巣復帰の可能性を否定した。

「マリナーズは控え外野手としてイチロー・スズキを迎え入れることはありますか?」

 そんなファンの質問にジョンズ記者は懇切丁寧に答えている。イチローの古巣復帰に関する質問は、マーリンズが来季は契約を結ばないと発表して以来「最も多く寄せられた質問」だったという。マリナーズのディポトGMは今オフに外野手を獲得する方針を打ち出しているが、それでもイチローの復帰は「高確率であり得ない」という。

 ジョンズ記者はイチローについて「私が今まで見た中で最も体が引き締まり、最も柔軟性に富んだ選手の1人」としながらも「永遠に寄る年波に勝ち続けられない」と指摘。今季は打率.255、出塁率.318、1盗塁でWARはマイナス0.3だったことにも触れ、「マーリンズはかなりお買い得な200万ドル(約2億2700万円)でも更新しなかった」と選手としての価値が下がりつつあるとした。

 イチローが再びマリナーズのユニフォームに袖を通す可能性がないわけではない。ジョンズ記者は「唯一思い浮かぶシナリオ」として「イチローが引退を決意した時、おそらくマリナーズは1日だけ契約を結び、“マリナーズの一員として引退”という形を取るだろう」と予測している。

 古巣復帰の可能性も否定されてしまったイチローだが、今季はメジャー代打最多安打記録に1本と迫る27安打を放つなど、勝負強さは衰えていない。これから本格化するストーブリーグで、来季の移籍先がどこへ決まるのか、目が離せない。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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