イチローが超新星ジャッジ&ベリンジャーに“助言”、MLB公式サイトが特集

2001年にはマリナーズで新人王に輝いたイチロー【写真:Getty Images】

現在も現役を続ける2001年新人王のイチローとプホルス

 今季メジャーを賑わせた話題の1つは、両リーグに誕生した“超新星”だろう。ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手とドジャースのコディ・ベリンジャー内野手は、それぞれ走攻守にわたり新人離れした活躍を見せ、ファンを大いに喜ばせた。新人王間違いなしと言われる2人は長らく好敵手として球界を代表する存在になりそうだが、ここへ来て再び注目を浴びているコンビがいる。それが、2001年新人王コンビのイチロー外野手とアルバート・プホルス内野手だ。MLB公式サイトが、この“奇跡の同期”について特集を組んでいる。

 オリックスから2001年にマリナーズ入りしたイチローは、小柄な体格や日本人初めての野手ということで、当初はメジャーで成功するという声はほとんど聞かれなかった。だが、類い稀なるバットコントロールと俊足、強肩を存分に生かしたプレースタイルで下馬評を覆し、27歳だったメジャー1年目に242安打、56盗塁、打率.350という驚異的な成績で、チームのプレーオフ進出に貢献。新人王とMVPのダブル受賞をする快挙を成し遂げた。一方、21歳だったプホルスは大型新人の期待を受けて2001年にデビュー。その期待に反することなく、1年目から161試合に出場し、37本塁打、130打点、打率.329の好成績で新人王に輝いた。

 2人はデビュー以来数々のタイトルを手に入れ、オールスターの常連となり、球界の顔となった。そして、デビューから17年を迎えた今でもまだ現役として活躍。イチローは昨年、メジャー史上30人目となる通算3000安打を達成し、プホルスは今季、史上9人目となる600本塁打を放ち、3000安打にも残り32本と迫っている。両リーグの新人王が揃って長いキャリアを送る例は非常に稀。加えて、揃って史上に残る成績を残していることを考えると、まさに“奇跡の同期”としか言いようがない。

プホルスとイチローを特別な存在にしたのは…

 記事では「あれは人々が永遠に語り継ぐ年になるだろう」というプホルスの言葉を紹介するとともに、イチローにもインタビューを敢行。イチローは通訳を介して「短期間ならいい成績を残す選手はたくさんいます。でも、それを10年続けることは、彼(プホルス)も僕も簡単ではないと知っている。僕たちは違うタイプのプレーヤーですが、そこに共通点があると思います。僕たちには特別な絆がある。ああいう成績を長く続けられたことこそ、僕たちを特別な存在にしているんでしょうね」と話したという。

 さらに、イチローは“奇跡の同期”再来になるかもしれないジャッジとベリンジャーについて、こう称えたという。

「毎年誰かが新人王を受賞する。たまに相応しい候補者がいない時もあって、成績を見て『この選手が新人王?』なんて言うこともある。でも、今年は彼らが新人王というタイトルに相応しいことは分かるでしょう。だけど、今年のような活躍を続けることこそが大切なんですよね」

 新人王から新人王候補へ送られたメッセージは、シンプルかつ明確だが、ずっしりとした重みを持っているようだった。

(Full-Count編集部)

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