〔海外地震〕イラン・イラク国境付近でM7.3 両国で死傷者7000人を超える(11/14)

米国地質調査所(USGS)によると、日本時間11月13日03:18頃、イラン・イラク国境付近を震源とするM7.3の地震が発生しました。各種報道によると、現地周辺では家屋の倒壊や土砂崩れが多数発生しており、死傷者はこれまでに両国合わせて7000人を超えています。
地震による被害の大きかった地域が山岳地帯にあたることから救助活動は難航しており、被害は今後さらに拡大するおそれがあります。【11月14日01:00現在、レスキューナウまとめ】

■発生事象 (USGS)
震源地:イラン・イラク国境付近(北緯34.9度 東経45.7度)
近隣都市からの方角・距離:
イラク・ダーバンディカンの南南東 19.7 km
イラク・ハラブジャの南西 30.2 km
イラン・パーヴェの西 52.4 km
イラン・サレポレゾハーブの北 55.4 km
イラク・スレイマニヤの南南東 75.0 km

発生日時(日本時間):11月13日03:18頃
震源の深さ:23.2km
地震の規模:M7.3
津波:気象庁によると、この地震による日本への津波の影響はない。

■被害情報〔NHK・共同・時事など〕
【死者】
・少なくとも452人(イラン445、イラク7)

【負傷者】
・7400人以上(イラン7100以上、イラク300以上)

・被災地は山岳地帯で、道路網の寸断もあり救助活動は難航。死傷者数がさらに増えるおそれがある。

・イラク・スレイマニア県ダーバンディカンで少なくとも死者1人、負傷者30人以上、同県南部カラルでも死者1人。エルビル県のコレでも倒壊した家屋の下敷きになり死者2人。
・イラクでは、切れた電線に触れた12歳の少年が感電死する事故も発生。

・イラン・ケルマンシャー州幹部によると、同州で少なくとも死者61人、がれきの下敷きになって負傷者多数。緊急救援隊が現地に向かっている。
・イラン地元当局者によると、避難住民は7万人を超える可能性。

【物的被害】〔NHK・時事〕
・イラク・スレイマニヤ県ダーバンディカンでは多くの家屋が倒壊。
・イラク・クルド人自治区ハラブジャの食料品店では、入口付近のガラスが割れ、店内では多くの缶詰などが棚から落ちた。

・イラン西部の8つの町で電気や通信が途絶。
・現地報道によると、イラン西部では複数の町や村で建物が倒壊。
・被災地に向かう道路では至る所で土砂崩れが発生しており、救助に向かうことが困難な地域も多いとみられる。

・震源から約230km離れたイラクの首都バグダッドにある日本大使館の職員も揺れを感じた。
・震源から約400km離れたイランの首都テヘランでも揺れを感じた。
・イラク・イランの主要油田地域では被害の情報は確認されていない。
・地震の揺れはトルコやイスラエル、クウェート、サウジアラビアなど中東の広範囲で観測されたが、目立った被害の情報はない。

【邦人被害】〔NHK〕
・震源地に近いイラク・クルド人自治区のスレイマニヤ県には日本人が居住、バクダットの日本大使館には被害情報は入っていないが、引き続き確認中。
・イラン・テヘランの日本大使館には被害情報は入っていない。

■震源付近で近年発生した主な地震
【2012年 イラン北西部地震】
・08/11 16:53頃発生 M6.4 死者300人以上 負傷者3000人以上
 直後の11分後にもM6.3の地震が発生。震源の東アゼルバイジャン州では、多数の家屋が倒壊。

【2011年 トルコ東部地震】
・09/19 07:17頃発生 M7.1 死者600人 負傷者4000人以上
 トルコ東部で発生、隣接するイランやイラクでも被害。翌月にもM5.6の地震が発生し、被害が拡大した。

■基礎データ
イラン・イスラム共和国
人口:7910万人
首都:テヘラン
在留邦人数:619人(外務省発表)

イラク共和国
人口:約3720万人
首都:バグダッド

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