DOWAホールディングスが中期計画、20年度経常益4割増の500億円に

 DOWAホールディングスは10日、18年度から3カ年の中期計画を公表した。成長市場における事業拡大と既存ビジネスでの競争力強化を基本方針に掲げ、最終20年度に経常利益500億円(17年度見込比37%増)、ROE12%以上(17年度見込みは11%)、ROA10%以上(同9%)を目指す。投融資は3年間合計で1100億円を計画している。

 新中計では「自動車」、「情報通信」、「環境・エネルギー」、「医療・ヘルスケア」の成長市場に経営資源を積極的に投入する。既存ビジネスについては、成熟した国内市場における事業対応力の強化と製錬・リサイクル複合コンビナート機能の深化によって既存事業の収益力をさらに高める。

 設備投資ではメキシコのロス・ガトス鉱山の開発段階への移行、環境・リサイクルにおける東南アジアにおける廃棄物処理事業の拡充、製錬や金属加工での生産性向上などに投資する方針。

 各セグメントの主要施策は、環境・リサイクルでは東南アジアにおける廃棄物処理の拡大、低濃度PCB廃棄物処理のコスト競争力強化、廃棄物溶融・再資源化の拡大などを図る。製錬では小坂製錬における錫の増産、原料対応力の強化、不純物対応力強化による亜鉛年産22万トン体制の確立、メキシコでの亜鉛鉱山の建設・操業開始などを推進する。

 電子材料は、医療・ヘルスケア分野に向けたLEDの開発・量産化、太陽光パネル向け銀粉の高シェア維持などを主要施策に掲げる。金属加工では自動車の電動化・知能化やIoT需要の拡大を捉えた銅合金の増産・拡販、メキシコ工場の立ち上げ、中国・タイ・台湾工場での加工メニューの充実などに努める。

 最終20年度における事業別の経常利益目標は、環境・リサイクルが17年度見込比42・9%増の100億円、製錬が同比28・2%増の150億円、電子材料が同比61・5%増の105億円、金属加工が同比25%増の90億円、熱処理が同比37・9%増の40億円。

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