減りゆく「松坂世代」、今季19人中10人に動き 険しい「名球会入り」への道

ソフトバンク・松坂大輔【写真:荒川祐史】

減りゆく「松坂世代」、名球会入り選手輩出は険しく

 第2次戦力外通告期間を終えて、NPBの戦力の入れ替えは一区切りがついた。1980年度生まれの松坂世代は今季多くが戦力外通告を受けた。

 1980年4月2日から、1981年4月1日までに生まれた「松坂世代」は、93人がプロ入りしたが、今季の選手名簿によれば、今年は19人が名前を連ねていた(エルドレッド、ウルフの両外国人を除く)。このうち9人が戦力外、自由契約などによって球団を離れる。

松坂大輔(ソ)投手1980.9.13生 ●戦力外
和田毅(ソ)投手1981.2.21生
木村昇吾(西)内野手1980.4.16生 ●戦力外
渡辺直人(西)内野手1980.10.15生 ●戦力外
上本達之(西)捕手1980.11.8生 ●引退
久保裕也(楽)投手1980.5.23生 ※育成で再契約の見込み
小谷野栄一(オ)内野手1980.10.10生
矢野謙次(日)外野手1980.9.21生
工藤隆人(中)外野手1981.3.30生
江草仁貴(広)投手1980.9.3生 ●引退
梵英心(広)内野手1980.10.11生 ●自由契約
永川勝浩(広)投手1980.12.14生
藤川球児(神)投手1980.7.21生
久保康友(De)投手1980.8.6生 ●戦力外
G.後藤武敏(De)内野手1980.6.5生
杉内俊哉(巨)投手1980.10.30生
村田修一(巨)内野手1980.12.28生 ●戦力外
實松一成(巨)捕手1981.1.18生 ●戦力外
館山昌平(ヤ)投手1981.3.17生

 フラッグシップである松坂大輔もソフトバンクを離れた。彼らがNPBに復帰できる道は厳しい。最悪の場合、来季の松坂世代は10人になる可能性がある。

今季規定投球回に達した投手なし、規定打席到達は小谷野のみ

 松坂世代は、来季には38歳になる。各球団では超ベテランの年齢になっている。それを考えれば、現役選手が減るのは当然ではあるが、1998年夏の甲子園の全国的な盛り上がりを知る世代には、今昔の感がある。

 今季、松坂世代で規定投球回数に達した投手はいなかった。規定打席に達した野手もオリックスの小谷野栄一だけ。数が少なくなっただけでなく、一線でプレーする選手もほとんどいなくなっている。

 これほど多くの選手が活躍した松坂世代だが、通算成績はどうなっているだろうか。投打別に見ていこう。

〇投手・50勝、50セーブ以上、カッコ内は実働期間

杉内俊哉 142勝0セーブ(2002-2017)
和田毅 126勝0セーブ(2003-2017)※MLBで5勝0セーブ
松坂大輔 108勝1セーブ(1999-2017)※MLBで56勝1セーブ
久保康友 97勝6セーブ(2005-2017)
館山昌平 85勝10セーブ(2003-2017)
新垣渚 64勝0セーブ(2003-2016)
木佐貫洋 62勝10セーブ(2003-2015)
藤川球児 50勝223セーブ(1999-2017)※MLBで1勝2セーブ
久保裕也 50勝36セーブ(2003-2017)
永川勝浩 36勝165セーブ(2003-2017)
加藤大輔 22勝87セーブ(2003-2013)

今後も活躍の可能性秘める村田、「名球会入り」への期待

〇野手 800安打以上

村田修一 1865安打 (2003-2017)
東出輝裕 1366安打 (1999-2012)
小谷野栄一 1082安打 (2003-2017)
梵英心 990安打 (2006-2017)
森本稀哲 904安打 (1999-2015)
渡辺直人 832安打 (2007-2017)

 日本プロ野球名球会は2000本安打、200勝、250セーブが入会の基準だ。またNPBを起点としていれば、MLBの数字も加算されるが、現時点ではこの基準を満たす選手はいない。 

 2000本安打に135本と迫った村田修一、そして日米通算250セーブに25と迫った藤川球児が最も近い位置にいる。村田はまだ十分に働ける実力があると思われるので、移籍球団さえ決まれば十分に可能性はあるが、藤川球児がクローザーとしてセーブを稼ぐ可能性は厳しいだろう。また、日米通算で164勝の松坂大輔は、ここ3年で1試合しか登板していない。移籍ができたとしても道は険しい。

 過去には38歳以上で投打のタイトルを獲得した選手はたくさんいる。MVPを受賞した選手もいる。現役で残った松坂世代には、もうひと頑張りを期待したい。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2