神奈川県藤沢市は13日までに、先月23日に関東を直撃した超大型の台風21号の被害総額が約1億4800万円に上ると発表した。ただ、高潮と高波の影響で激しく傷んだ観光名所「江の島岩屋」(同市江の島)は被害額の一部しか明らかになっておらず、最終的な被害総額はさらに膨れ上がる見込み。
現時点での被害額の主な内訳は、▽江の島岩屋約7940万円▽江の島西ポンプ場2800万円▽片瀬漁港1050万円▽市立藤ケ岡中学校の校舎屋根490万円−など。
市によると、江の島岩屋は、土砂や流木が中にたまっただけでなく、洞窟へ通じる橋の欄干や柵が押し流された。今回算出されたのは、電気復旧工事や岩屋内の土砂や流木を運び出すための費用で、橋の欄干や柵、門扉の被害は含まれていない。
入り口付近の階段は途中で崩れ、鉄筋がむき出しの状態になっており、江の島岩屋周辺へは現在立ち入りが禁止されている。市は、オープン25周年を迎える来年4月までには営業を再開したいとしているが、復旧のめどは立っていないという。
市は「被害が大きい施設は、補正予算や予備費などで対応することを検討している」としている。