JFEエンジ、所沢市と新電力会社設立へ 再エネ発電調達で市内へ給電

 JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)は13日、埼玉県所沢市、飯能信用金庫、所沢商工会議所と合同で地域新電力会社設立に向けた包括連携協定を締結した。再生可能エネルギーの普及促進に向けて来年5月に新電力会社「所沢新電力」(仮称)を設立し、同年度中の電力供給開始を目指す。

 新会社は県内では初めて自治体が出資。資本金は約1千万円で、所沢市が50%超を支出する。

 構想では、地域の廃棄物発電や太陽光発電など再生可能エネルギーで発生した電力を買い取り、来年10月には第一段階として市内の公共施設へ供給を開始する。次いで市内の民間事業者への高圧電力供給や一般家庭向けにも販路を広げ、将来的には隣接自治体への供給も計画する。

 市外からの電力調達など電力需給の管理は、JFEエンジ子会社のアーバンエナジーに委託する。19年度の契約電力は学校など市内100施設向けに1万8千キロワット、22年度には民間事業者向けも含めて計4万3千キロワットを想定する。電源の内訳は19年度時点で、県内のごみ処理施設で発電した分の再エネが78%、市内分が5%、市内の太陽光が1%など。

 この日は所沢市役所で協定式を開催。JFEエンジの吉田佳司副社長や藤本正人市長、鞆田周一・飯能信金常務理事、本橋孝義・商議所会頭が出席し、調印を交わした。

 吉田副社長は「当社はごみ処理・下水処理施設など数々のバイオマス発電を手掛けてきた。市民が自ら造った電気で生活できる時代が来れば」と、電力の地産地消実現に向けて期待感を語った。

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