被災地思い深める愛 西原村の農作業が縁 結婚へ

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西原村の農業ボランティアをきっかけに出会い結婚することになった杉山尚幸さん(左)と山本真由美さん。「出会った場所を大切にしたい」と今でも農作業デートを楽しむ=西原村

 熊本地震で被災した西原村での農業ボランティアをきっかけに交際を始めた福岡市の杉山尚幸さん(38)と山本真由美さん(49)が、来年2月に結婚する。2人は思わぬ人生の転機を与えてくれた村に感謝し、“農作業デート”を今も楽しむ。

 会社員の山本さんは八代市出身。昨年5月以降の毎週末、福岡市の自宅から通い村で過ごした。一方、香川県の農業法人で働いていた杉山さんが山本さんと出会ったのは、2回目のボランティアだった昨年6月。たまたま同じ農家に振り分けられ、2人で半日を過ごした。

 互いの仕事を尋ね合い「農業だけど、あてにしないで」と言う杉山さんに「印象が良くなかった」という山本さん。しかし杉山さんは、被災した農家を思いやる山本さんの姿に心打たれたという。

 その後、会員制交流サイトでつながっていた2人がボランティアで再会したのは今年2月。杉山さんは、山本さんに会えるのを期待していた。

 “おひとりさま”を楽しんでいた山本さんは「年も離れていて恋愛対象になるとは思っていなかった」。ただ、杉山さんからのメールや電話は頻繁で、その好意に気付き始めてもいた。

 4月、山本さんがファンのジャズバンドが香川県で公演することになり、案内した杉山さんが別れ際に告白。6月にはプロポーズした。

 杉山さんは福岡県朝倉市で農園の仕事を見つけ、9月から福岡市で山本さんと暮らす。「最初の草取りから偶然が重なって結婚にまで至った。本当に縁だと思う」と杉山さん。山本さんは「結婚はしないものと思っていた。ここで出会えたことを感謝したい」とはにかむ。

 11日は久しぶりに2人そろって西原村のカライモ畑で汗を流した。「デートみたいなものですね」と杉山さん。「出会った場所を大切にしたい」という2人は来年2月、阿蘇の山並みが見渡せる熊本市の高台で結婚式を挙げる。(福井一基)

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