日本製鋼所の次期中期計画、産機事業で高成長実現 「素形材・エネ」はスリム化

 日本製鋼所(社長・宮内直孝氏)は15日、2018~20年度の次期中期経営計画「JGP2020」の骨子を公表した。30年度に向けた基盤作りに位置付け、経営資源の最適化とアライアンスの強化、アフターサービス事業の強化、新規事業の探索・育成の活性化を3本柱に据える。好調な産業機械事業で高い収益性を保ちながら拡大を目指し、素形材・エネルギー事業は現有製品の黒字確保と新分野・新製品の展開による製品ポートフォリオ改革を進める。

 新中計では産業機械は「成長」、素形材・エネルギー事業は「新生」をキーワードにする。室蘭製作所では事業規模に見合った生産体制のスリム化による現有製品のコスト改革の完遂、経営資源の有効活用を進める。生産資源では月島機械との協業検討、人材資源では他事業部や他製作所への人材流動化も進める。

 航空機部材、結晶材料など鉄鋼にこだわらない素材系新分野製品への参入のための開発投資も推進する。

 現有製品では中東の天然ガス開発プロジェクト向けクラッド鋼管で今上期に大型受注があり、下期も大口案件受注を見込む。次期中計でもクラッド鋼管の受注獲得は黒字安定化の一つのカギになりそうだ。

 産業機械事業は世界トップの総合樹脂機械メーカーとしての地位をさらに高め、現有事業の事業領域と収益力拡大を図る。

 リチウムイオン電池向けで需要旺盛なフィルム・シート装置は20年度までに生産能力を倍増する。

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