【MLB】ダル、大谷、青木の日本人3人獲得も? レンジャーズ補強候補、地元紙特集

去就が注目される青木宣親【写真:Getty Images】

巻き返し目指すレンジャーズ、補強ポイントに日本人選手の名前

 今季、78勝84敗でア・リーグ西地区3位タイに終わったレンジャーズ。巻き返しに向け、補強ポイントは少なくない。地元紙は、各ポジションの獲得候補を挙げており、左翼で青木宣親外野手、先発で大谷翔平投手、そして今夏レンジャーズがトレードで放出したダルビッシュ有投手の名前がリストに載っている。

 まずは左翼について。同紙は「最高のFA左翼手5人を調査:ひとりの並外れた選手と旅人たち」とタイトルをつけている。「並外れた選手」とは、ホワイトソックスからFAとなったメルキー・カブレラ。メジャー13シーズンで通算打率.286、131本塁打、768打点と実績十分の好打者だ。

 そして、キャメロン・メイビンに続いて3番目に名前が挙がっているのが、青木。メジャー6シーズンで7チームでプレーしてきた「ジャーニーマン(旅人)」は、今季終了後にメッツから放出された。

 寸評では「ヒューストン(アストロズ)、トロント(ブルージェイズ)、そしてニューヨーク・メッツの3球団でプレーするという、稀なことを成し遂げた。2012年ルーキーシーズン以来初となる長打率.400以上を記録。フェアゾーンにボールを飛ばすこができ、三振の割合は通算で10.53打席に1回とした」とコンタクト能力の高さを特筆している。

 一方で、「今シーズン、左腕に対する打率は.218、OPS.586となった。対左腕の通算成績は打率.301、OPS.732となっている」と、得意としていた左投手との対戦で苦しんだことにも言及。守備については「平均的だが、正確な送球をする。外野での守備範囲は限られている」との評価だ。

 各メディアのFA選手ランキングでは、名前があがることの少ない35歳。レンジャーズが獲得に動くのか、注目が集まるところだ。その他、左翼ではクリス・ヤング、ベン・リベアが候補に挙がっている。

大谷は「実際の価値よりもずっと安い額で契約を結ぶだろう」

 また、同紙は先発投手についても「一流」のリストを作成。ただ、「これは5人の一流選手のリストになる予定だった。しかし“一流選手”は非常に高い障壁となっており、今オフシーズンの人材は乏しい。よって、我々は3人に制限しなければならなかった」として、大谷、ダルビッシュ、ジェイク・アリエッタの名前を列挙した。

 最初に登場するのは大谷だ。寸評では「彼は23歳で渡米するため、契約金に上限が設けられる。彼は実際の価値よりもずっと安い額で契約を結ぶだろう」と、まずはメジャー挑戦に踏み切る段階での“特異”な状況について言及。そして、二刀流としてのメリット、デメリットについて解説している。

「解決すべき最大の問題は、登板がない時に球団は彼を打席に立たせるのかということだ。日本での過去2シーズンにわたって、彼は通算525打席に立ち打率.326、本塁打30本を記録した。打撃に関するポテンシャルは本物である。彼が故障した場合、球団は実質2選手を失うことになるのでリスクは高まる。これは日本ハムで今季、実際に起こったことである。2017年、彼は足首と大腿部故障の治療に取り組んでいた。彼らは球団最高の投手と打者を失ったのである。彼は投手としてわずか5先発で終えた」

 投手、そして打者として“一流”だからこそ、負傷離脱した際にできる穴は大きい。獲得する際には、それも考慮すべきだという。それでも、「彼が最高額の契約を得ることはないだろうが、ポスティングされ獲得可能になった際には最も注目を集める投手になるだろう」と同紙は予想。全30球団による争奪戦にもなると言われているが、レンジャーズは獲得にこぎつけることが出来るだろうか。

去就が注目されるダルビッシュ有【写真:Getty Images】

ダルビッシュは「大金に値する」

 続いて、7月のレンジャーズからドジャースにトレード移籍したダルビッシュも登場。「MLBトレードルーマーズでは、ダルビッシュは今季市場において一流フリーエージェント選手である。また同サイトでは、彼が6年1億6000万ドル(約181億円)の契約を結ぶことを予測している」。寸評では、米最大の移籍情報サイト「MLBトレードルーマーズ」の分析で、超大型契約を結ぶことが見込まれていることを紹介している。

 その上で「ワールドシリーズでの悲惨な先発登板のため、おそらくダルビッシュが得る額はいくらか減るだろう。もし彼が支配的であれば、おそらくは毎年3000万ドル(約34億円)を手にしていただろう」と指摘。ワールドシリーズでの2試合連続KOは契約に影響するとの見方だが、それでも、右腕の評価が大きく下がることはない。

「今のところ、ダルビッシュのファストボールは97マイル(約156キロ)までに達する。そして彼は素晴らしいスライダーを投げる。ワールドシリーズ優勝を果たすために必要な一流の投手が不在の球団にとって、おそらく彼は大金に値するだろう」

 その能力を熟知しているレンジャーズは、かつてのエースに大型契約を提示するのか。

 ダルビッシュにかかる金額さえ準備できれば、ここに登場する日本人選手3人を全員獲得することも、予算的には決して難しくない。日本人には馴染みのある球団の一つでもあるだけに、レンジャーズの今後の動きから目が離せない。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2