ホークス甲斐が快挙! 育成出身初のベストナイン&GG賞W受賞「本当に光栄」

ベストナインを受賞したソフトバンク・甲斐拓也【写真:藤浦一都】

2010年の育成ドラフト6巡目から大躍進「監督やコーチに使い続けてもらった賜物」

 史上初の快挙となった。ソフトバンクの甲斐拓也捕手が17日に発表されたベストナインで、パ・リーグの捕手部門で選出された。セ・パ両リーグを通じて最大のサプライズだったかもしれない。もちろん初受賞。先日発表されたゴールデングラブ賞に続く受賞。育成出身者としてゴールデングラブ賞とベストナインの同時受賞は、初めてのこととなった。

 現在、侍ジャパンメンバーとして「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ」に参戦している甲斐は球団を通じて「本当に光栄なこと。率直にその言葉しか出てきません。これも監督やコーチに試合で使い続けてもらった賜物です。選出頂いたことに恥じないように、来季もっとチームの信頼を得られるように、オフも気を緩めずに努力したいと思います」とコメントした。

 2010年の育成ドラフト6巡目。支配下ドラフトの1位は同じ捕手の山下斐紹(今オフ楽天にトレード)、同2位は今や球界を代表する外野手となった柳田悠岐で、育成4巡目は今季バッテリーを組み続けてきた千賀滉大だった。この年、ソフトバンクで最後に指名を受けた170センチの小柄な捕手が、リーグを代表する捕手へと成長を遂げた。

 2013年オフに支配下契約を勝ち取ったものの、その後も1軍の舞台は遠いままだった。転機となったのは昨オフ。若手捕手の登用に球団が舵を切り、これまで扇の要を担った細川亨を放出した(コーチ契約を打診したが、現役続行を希望して退団)。さらには捕手出身の達川光男ヘッドコーチが就任し、この達川ヘッドコーチに見初められたのも大きかった。

開幕1軍は今季が初めて、プロ初本塁打は満塁本塁打

 そうして迎えた今季。初の開幕1軍を掴むと、東浜巨、千賀滉大といった若手投手と主にバッテリーを組み、103試合に出場した。プロ初本塁打が満塁本塁打となり、さらには1試合2本塁打や2試合連発などのセンセーショナルな活躍もあった。207打数49安打5本塁打19打点、打率.230。何よりも見るものを魅了してやまないスローイングで、度々チームを救ってきた。

 シーズン終盤は、ベテランの高谷裕亮がマスクを被る機会が増えたが、それでも、甲斐がソフトバンクの日本一奪還に多大な貢献をした事実は揺るがない。育成出身者初のゴールデングラブ賞とベストナインのW受賞。甲斐拓也にまた1つ、勲章が加わった。

(Full-Count編集部)

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