長崎からロザリオと腕時計 被爆資料、ノーベル賞授賞式に合わせ展示

 長崎市は17日、12月のノーベル平和賞授賞式に合わせて現地のノルウェー・オスロ市で展示する被爆資料について、爆心地近くで見つかったロザリオと、原爆さく裂時刻の11時2分を指す腕時計の2点にすると発表した。

 NGO核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の受賞を受け、広島市などと協力し計5点をノーベル平和センターに貸し出す。授賞式当日の12月10日から約1年間、授賞式会場のオスロ市庁舎近くにある同センターで展示する。

 長崎市の2点は長崎原爆資料館所蔵。このうちロザリオは爆心地から約0・5キロの浜口町(当時)の全焼した民家の跡地で発見された。腕時計は爆心地から約0・6キロの上野町(同)の住宅跡から掘り出され、被爆医師の故永井隆博士の弟が生前に市へ寄贈した。

 中村明俊館長は「どちらも長崎の歴史に深く関係する資料。世界の目に留まり原爆の非人道性への理解を深めてもらいたい」と話した。

 広島市の原爆資料館からは当時13歳で被爆し行方不明となった舛田幸利さんのかばんと防空頭巾の2点、京都市の立命館大国際平和ミュージアムからは弁当箱1点が選ばれた。

爆心地から約0.6キロで見つかった腕時計。左は原爆がさく裂した11時2分を指す時計盤。右はそのケース(長崎原爆資料館提供)
爆心地から約0.5キロで見つかったロザリオ(長崎原爆資料館提供)

© 株式会社長崎新聞社