大谷の即MLB挑戦に米紙が改めて驚き「数百億円を手放すことを厭わない男」

MLB挑戦表明で大きな話題を集める大谷翔平【写真:田口有史】

「その決断は別格」と“称賛”の声「お金は重要事項ではないのか」

 日本ハムの大谷翔平投手がメジャー挑戦表明の記者会見を行ってから、MLB各球団は獲得に向けて様々な動きを見せている。ポスティングシステム(入説制度)が締結となり、大谷サイドが正式に申請すれば、空前の大争奪戦に発展することになりそうだ。昨年12月に結ばれた新労使協定のもとでは、23歳の大谷は中南米のアマチュア選手らと同じように契約金は最大350万ドル(約4億円)という“格安”でマイナー契約で移籍し、開幕までにメジャー契約となっても年俸調停の権利を得るまでは低年俸でプレーする可能性があるが、米メディアはお金ではなく、夢の挑戦を選んだ大谷の志の高さを「前代未聞」と称賛している。

「ショウヘイ・オオタニのMLBの球団決定において、なぜ、お金は重要事項ではないのか」と特集したのは地元紙「USAトゥデー」電子版だ。

 昨年12月に結ばれたMLBの新労使協定では、米国外の25歳未満の選手はアマチュア扱いとなる。日本で圧倒的な成績を残してきた大谷も各球団に最大350万ドル用意されたボーナスプールの枠を超える契約金を手にすることはできない。そして、他のルーキー同様にマイナー契約となり、最低年俸でメジャーのキャリアをスタートさせる可能性が高い。

 記事では「特にピッチャーにはけがのリスクも存在するが、もしも、あと2年間日本に止まれば、フリーエージェント(実際にはポスティングシステム)として9桁の契約を容易に手にすることになるだろう」と分析。25歳の段階でメジャーに挑戦すれば、数億ドルの報酬を手にできると指摘している。米メディアの中には、総額3億ドル(約336億円)規模の契約になるとの見方もあった。

新労使協定では“格安”移籍、「これまでの例と比較することは難しい」男!?

 特集では「まだまだ不完全な選手。やらなきゃいけないことがいっぱいある選手。そういう状態の中で是非行ってみたい」という大谷の記者会見での発言を紹介。凡百のアスリートと一線を画す大谷の流儀を称賛している。

「フィールド上での明確な目標追求よりも巨額な契約金に当然のように価値を置くアスリートたちに慣れてしまった世界において、オオタニの決断は別格のものに見える」

 自分を育ててくれた球団や、出身地のチームと他球団よりも安価な条件で契約するケースや、優勝候補の球団に加わるために年俸削減を飲む選手もいるが、大谷の今回のメジャー挑戦については「文字通り何億ドルを手放すことを厭わない男にとって、これまでの例と比較することは難しい」「前代未聞」と伝えている。

 メガディールよりも、「成長」のためにメジャー即時挑戦を選んだ大谷。エースで4番もこなす二刀流の才能とともに、その志の高さもアメリカで評価されている。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2