金属行人(11月20日付)

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 特殊鋼棒鋼・線材の国内需給のひっ迫度が一段と強まっている。高炉、電炉各社がフル操業状態にあり、引き合いが依然旺盛さを保つ中で、各社は生産設備の老朽更新を含めて製造能力の上方弾力性の確保に苦慮しており、受注抑制の姿勢を強めざるを得ない状況となっている▼需要環境は自動車や車部品関連が極めて高水準で、建機やFA・ロボット関連などの産業機械、工作機械も堅調。特殊鋼棒線は車のKDセット生産の影響を強く受ける。非日系車向けの部品、装置輸出の堅調も自動車関連需要を押し上げている。こうした車関連のインパクトが最も強いが、それ以外の需要分野も堅調なことで市場全体にタイト感が広がっている▼店売り分野は車関連需要の影響を直接受けにくいこともあり、昨今の需要環境の旺盛さに対して実感が伴わない面があった。流通大手は倉入れヒモ付きの玉が入ってこないことでもタイト感を痛切に実感するが、店売りの末端に行くほどタイトさを感じにくい状況が続いてきた▼その状況認識も足元では変化してきている。メーカーが受注抑制の姿勢を強める中で、店売り在庫でもタイト感が強まっている。先行きは需要動向次第だが、当面はその傾向が続きそうだ。