エクレストン、リバティのF1運営に不満。「これまでの基準をはるかに下回る」

 バーニー・エクレストンは、現在F1のオーナーであるリバティ・メディアは、この競技を“ファーストフード店のように”扱うべきではないと警告している。

 元F1最高権威者のエクレストンは今年の初めまではF1に関わっており、3年間はポジションを与えられるはずだった。しかしリバティは早い段階で彼をCEOから外している。

 新たなマネジメント体勢についての批判は控えていたものの、エクレストンが新オーナーの行動のすべてに賛成できなかったとしても、驚くべき事態ではない。彼はブラジルのFolha de S.Pauloに対し、以下のように語っている。

「私はF1を常に、ミシュランの三ツ星レストランのように扱ってきた。ファストフード店のように扱うべきものではない」

「それがアメリカのスタンダードなのだろうが、F1のスタンダードをはるかに下回っている。過去40年間にF1に関わってきた人々は、もっと格の高いものを期待しているのだ」

 現在のマネジメントチームは、F1がどういったもので、どう運営すべきであるかを真に把握していないとエクレストンは指摘する。

「彼らは目を覚ますべきだ。私は彼らに敵対しているわけではなく、残念に思っているのだ。まるで歯医者に医者の仕事をさせているような状態だ」

 エクレストンは、リバティがF1買収にあたって高額の支払いを行ったことが、過去40年間に対する最高の対応だったと言う。

「私の仕事がまったく良いものでなかったのなら、彼らは買収などしなかっただろう。私たちは(売却に)良いタイミングだと思った。私たちは誤解されていたのかもしれないが、後悔はない」

 エクレストンは今でも名誉ある役職に就いている。新オーナーらが彼の意見に耳を貸すことは稀だが、元のポジションに戻りたいという関心はないと付け加えた。

「私は今でも高いポジションに就いている。自分のことはカウンセラーか何かだと思っているよ。40年間勤め上げた挙句に元のポジションに戻って、新しいオーナーに、どう仕事を進めればいいかを聞いたりなんてしたくない」

 突然の退任には驚いたものの、エクレストンはCEOの座を“だまし取られた”とは思っていないと主張する。

「だまされたと感じていたら、何かアクションを起こしている」と彼は当然のように語り、以下のように続けた。

「人生のなかではそんなことも起こり得る。彼らは私に、どうやって退任を要求して良いのかが分からなかったのかもしれない。チェイス・キャリーは私のポジションを欲していたので、こう言ってやったのだ。『クルマを買ったのだから自分で運転しろ』とね」

© 株式会社三栄