NASCAR第36戦:トゥルーエクスJr.、今季8勝目で初の王者に。トヨタはシリーズ2連覇

 モンスターエナジーNASCARカップは11月19日、2017年シーズン最終戦となる第36戦マイアミが行われ、マーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)が優勝。自身初のNASCARカップシリーズチャンピオンに輝いた。また、トヨタも2年連続のマニュファクチャラーズタイトルを手にしている。

 全36戦におよぶNASCARシリーズの最終戦は、チャンピオン決定戦“プレーオフ”を勝ち抜いてきた4名が王座を賭けて直接争いを繰り広げる場。今年はトゥルーエクスJr.のほか、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)、ケビン・ハービック(フォード・フュージョン)、ブラッド・ケゼロウスキー(フォード・フュージョン)がチャンピオン獲得の権利を持って臨んだ。

 予選ではデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)がポールポジションを獲得。トゥルーエクスJr.は2番手からスタートとなる。267周で争われた決勝レースでは、80周目までのステージ1、160周目までのステージ2ともにケビン・ハービック(シボレーSS)が制覇。これにチャンピオンを争う4名が続いた。

 ステージ1を5位、ステージ2を2位でチェッカーを受けたトゥルーエクスJr.は166周目のリスタートでトップに浮上。残り100周のレースをリードしていく。

 その後方では、チャンピオンを争う3名が順位争いを展開していたが、7周に渡る攻防の末、241周目にブッシュがハービックを攻略して2番手に浮上。前を走るトゥルーエクスJr.を追いかけていく。

マーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)

 ブッシュはトゥルーエクスJr.を上回るペースで周回し、ギャップを縮めたが、トゥルーエクスJr.は0.681秒で逃げ切りトップチェッカー。2004年にカップシリーズへ参戦を開始してから、13年目で初の栄光を手にした。

 2017年シーズン最多の8勝を挙げたトゥルーエクスJr.は、ビクトリーレーンで涙を見せながら「感無量だ」と喜びを語った。

「20位フィニッシュも難しいような辛く厳しい日々があったことを考えると、ここに立てる日が来るなんて想像もしなかった。本当に信じられない」

「(チャンピオンを獲得できたのは)自分の実力だけでなく、僕を支えてくれたガールフレンド、そしてチームのおかげだ。どう表現すればいいか分からないよ」

「チェッカーまで残り20周となったあたりで勝利を意識した。そのあとはどのラインを走るべきかが見えていたし、どこを走れば追いかけてくるライバルをブロックできるかも手に取るように分かった」

「幼いころからの夢だったから、今でも信じられない。ただ、どんなことがあっても諦めることだけはしなかった。とにかく夢を叶えるために戦い続けてきたんだ」

 今シーズン限りでカップシリーズ引退を表明しているデイル・アーンハートJr.(シボレーSS)は25位で完走。シリーズフル参戦の終了を表明しているマット・ケンゼス(トヨタ・カムリ)は8位でチェッカーを受けた。

 2018年のデイトナ500、インディ500で現役を退くダニカ・パトリック(フォード・フュージョン)は142周目のターン2でアウト側ウォールにヒット。マシンの左フロントを破損した上、そこから出火するアクシデントがあり、リタイアでNASCARフル参戦に幕を下ろした。

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