電炉用電極の国際価格、来年以降は大幅上昇

需給ひっ迫感、さらに

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国内に波及必至

 電炉用黒鉛電極の国際価格が来年以降、大幅に上昇する可能性が濃厚になってきた。今年春以降に顕在化した供給不足が一向に収まらないまま、ここにきてひっ迫感が一段と強まっているためだ。さらに電極の主原料となるニードル(針状)コークスも来年1月以降、大幅上昇する公算が大きく、電極価格の押し上げ要因となるのは必至。電極の海外での急騰が日本国内に波及するのは確実で、電炉メーカーをはじめとする電極ユーザーはコスト増の吸収を迫られそうだ。

 海外市場では1~12月の年間契約が一般的で、近く2018年積みの商談が本格化する。商談を前に欧米の電極メーカーの販売姿勢は強気一辺倒。市場では、1トン当たり2500ドル(DC炉用の24インチ径電極)が中心だった17年価格に対し、最低でも3倍に跳ね上がるとの見方が有力。

 需給ひっ迫の背景にあるのが中国の電炉鋼生産の急増。同国政府の「地条鋼」規制を受け、既存電気炉の稼働率が大幅に高まったのが今年春。足元もこの状況は変わっておらず、今年の同国の電極消費量は昨年の2倍に達するとの見方も出ている。

 電炉の稼働率上昇は韓国や東南アジアでも顕著で、電極の品薄感はアジア地域全体に広がる。

 価格上昇を先取りする動きも目立つ。二次製錬炉用の細径電極では、春以降の需給ひっ迫を受けて供給不安が一気に台頭。同径品の最大の供給元は中国で、中国品に引き合いが集中。この結果、細径では1万ドルを超えるスポット成約も出ている。

 電極の主原料となるニードルコークスの上昇も電極価格を押し上げそう。ニードルコークスは電極向けに加え、リチウムイオン二次電池の負極材にも使われる。負極材向けの需要好調もあって、ニードルコークスの品薄感は電極のそれを上回る状況だ。国内外のコークスメーカーは既に来年1月以降の出荷分について、2~3倍の値上げを提示し始めた。

 日本の電極市場では18年度積みの商談が間もなく本格化する。電極の国際相場やニードルコークスの上昇が国内価格に波及、電炉メーカーの資機材コストを大幅に押し上げるのは確実な情勢だ。