日立金属、機器用電線で増産投資 内外3極で最適生産

 日立金属は機器用電線や建設・電販用電線など基盤製品事業の強化を進めている。機器用電線は国内外で増産対応を進めながらFA・産業機械関連や半導体製造装置関連で拡大する需要を捕捉する。建設・電販用の電線では2018年4月から茨城工場で本稼働する導体の新型連続鋳造圧延ラインを生かしコスト競争力を高めるなどして、適正な数量規模を確保する。

 機器用電線の需要は17年に入り活況を呈しており、同社の受注は高水準。今後も販売拡大が見込まれる状況で、「国内向けは18年度にもう1割伸ばせそうだ」(電線材料カンパニープレジデントの村上和也執行役)。足元の受注対応と来年度の販売増に向けた設備投資を実施しており、銅線の撚り合わせや被覆の押出しなど電線の製造ラインを増強している。中長期的にも需要は増える見通しで、日本・ベトナム・中国蘇州の3極で生産配分を最適化しながら増量対応を進める計画。

 建設・電販用電線では東京五輪後も需要は大幅に落ち込まない見通し。ボリュームのある分野であり重要な基盤事業に位置づけ、成熟する国内市場における適正規模の確保を念頭に競争力を高める。新型連続鋳造圧延ラインの導入効果では銅スクラップの活用も拡大する。

 建設・電販用電線などを製造する子会社の東日京三電線では製造ラインのリニューアルや、工場内のレイアウト変更による生産効率化を順次進めている。

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