ラミレス以来2人目の快挙なるか…パMVPサファテ、名球会入りまで21セーブ

パ・リーグMVPを受賞したソフトバンク・サファテ【写真:藤浦一都】

救援投手のMVP受賞は両リーグ合わせて5人6例目

 20日に開催された「NPB AWARDS 2017 supported by リポビタンD」で今季の最優秀選手賞(MVP)が発表され、パ・リーグはソフトバンクのデニス・サファテ投手が受賞した。総投票数263のうち1位票を180票獲得し、セ・リーグMVPの丸佳浩(広島)同様、圧倒的な結果となった。

 救援投手がMVPを獲得するのは、両リーグ合わせて5人、6例目だ。

1979年 江夏豊(広)9勝5敗22S 防2.66
1981年 江夏豊(日)3勝6敗25S 防2.82
1988年 郭源治(中)7勝6敗37S 防1.95
1998年 佐々木主浩(横)1勝1敗45S 防0.64
2011年 浅尾拓也(中)7勝2敗10S 45H 防0.41
2017年 D.サファテ(ソ)2勝2敗54S 防1.09

 いずれもリーグ優勝チームから選出された。救援投手の活躍は、チームの優勝と切っても切れない関係にある。サファテは外国人の救援投手としては、1988年の中日・郭源治についで2人目だ。

 1979年の広島・江夏は、近鉄との日本シリーズでのちに「江夏の21球」と語り継がれる快投を見せた。その2年後、今度はパ・リーグの日本ハムでもMVPを獲得。「優勝請負人」の異名を執った。セーブはNPBでは1974年から導入されたが、江夏はこれまで補助戦力的に見られがちだった救援投手のステータスを引き上げたと言えるだろう。

 2011年の中日・浅尾はクローザーではなく、中継ぎの中でもセットアッパーが受賞した唯一の例だ。ホールドはNPB全体では2005年から導入されたが、このMVP受賞で浅尾もセットアッパーのステータスを引き上げ、認知させた。

1シーズンで40セーブ以上を挙げた10投手とは…

 サファテは今年NPBのセーブ記録を更新したが、NPBで1シーズン40セーブ以上を記録したのは史上10人、16度ある。

1.2017年 サファテ(ソ)54セーブ 66登板
2.2005年 岩瀬仁紀(中)46セーブ 60登板
2.2007年 藤川球児(神)46セーブ 71登板
4.1998年 佐々木主浩(横)45セーブ 51登板
5.2007年 岩瀬仁紀(中)43セーブ 61登板
5.2016年 サファテ(ソ)43セーブ 64登板
6.2010年 岩瀬仁紀(中)42セーブ 54登板
6.2013年 西村健太朗(巨)42セーブ 71登板
9.2008年 クルーン(巨)41セーブ 61登板
9.2009年 岩瀬仁紀(中)41セーブ 54登板
9.2011年 藤川球児(神)41セーブ 56登板
9.2015年 呉昇桓(神)41セーブ 63登板
9.2015年 サファテ(ソ)41セーブ 65登板
9.2015年 バーネット(ヤ)41セーブ 59登板
15.2006年 岩瀬仁紀(中)40セーブ 56登板
15.2014年 平野佳寿(オ)40セーブ 62登板

 サファテは、岩瀬が持っていたNPB記録を8つも更新し、断トツのセーブ記録を樹立した。54セーブは、今季ソフトバンクが挙げた94勝の57.4パーセントを占める。文字通りの“守護神”であり、彼も優勝請負人だと言えよう。

 NPBで7シーズンプレーしたサファテは、通算229セーブを記録。あと21セーブで、名球会の入会基準である250セーブに達する。2010年まで過ごしたMLBでは92試合に投げて5勝4敗、セーブはなかったが、新天地の日本は水が合ったのだろう。名球会入りを果たせば、MLBでデビュー後にNPBに移籍した選手としては、現DeNA監督のアレックス・ラミレスに続いて2人目となる。

 サファテは松坂世代の1学年下で来季は37歳になるが、日本シリーズ第6戦での3イニング登板を見てもわかるように、まだまだ衰えは見せていない。MLB球団が興味を示しているという報道もあるが、契約は来季まで残っている。来季中盤にも名球会入りする可能性は非常に高いのではないだろうか。

(Full-Count編集部)

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