<レスリング>U-23世界選手権(ポーランド)出場の男子グレコローマン・チームが帰国

クリナップの今村浩之監督の出迎えを受けたU-23世界王者の河名真寿斗

 U-23世界選手権(ポーランド)に出場した男子グレコローマン・チームが11月24日、成田空港着の日本航空で帰国した。

 記念すべき第1回大会で金メダルを獲得し、歴史の最初に名を刻んだ59kg級の河名真寿斗(クリナップ)は「優勝する、と宣言して日本を発った。(本ホームページで)特集を組んでいただいたりして、絶対に優勝するんだ、と言い聞かせて闘った。その気持ちが優勝につながったと思う」と振り返る。

 「それがプレッシャーになったことは?」との問いに、「体が硬くなり、思い切りがない部分はありましたが…」と苦笑いしたが、最後はしっかり勝ったので、重圧を跳ね返す精神力も身についたのだろう。

 決勝の相手のロシア選手は、2015年世界ジュニア選手権(ブラジル)で3位に入った時に優勝した選手だという。その時は直接の対戦はなかったが、自分が準決勝で負けた相手が決勝で完敗していたので、「強い選手」というイメージを持っていた。

 しかし、今回は「負ける、という気持ちは微塵もなかった。最後まで勝ちにこだわってポイントを取りにいったことが勝ちにつながったと思う」と言う。「2年半ごしにリベンジ…、直接的なリベンジではないですけど、できましたね」と満足そうに話した。

 今年はデーブ・シュルツ国際大会(米国)とザグレブ・オープン(クロアチア)で優勝しており、シニアでもやっていける実力は証明していた。U-23とはいえ、イラン、カザフスタン、ロシアなどの強豪国を含めての5試合に勝っての優勝は別格。前2大会の優勝以上の自信になったようだ。

成田空港での最後のミーティング

 来月の全日本選手権では、世界王者の文田健一郎(日体大)やオリンピック銀メダリストの太田忍(ALSOK)に挑む。「接戦を勝ち抜けたことを自信にし、優勝を目指して頑張ります」と話した。

 重量級の強化が課題とされている状況の中、130kg級で5位に入賞する健闘を見せた園田新(ALSOK)は「2014年の世界ジュニア選手権(クロアチア)で3位決定戦に進んだ時も負けて5位だった。メダルに手が届かなかった自分に腹が立つ。勝利への執念が足りないのでしょう」と反省の弁。

 3位決定戦ではコーチの教えを守れない試合になってしまったことを悔やみ、「勝った試合もあったけど、褒められることは少ない」と自分に厳しい言葉が続いた。

 とはいえ、敗者復活戦で昨年11月のゴールデンGP決勝大会優勝のアゼルバイジャン選手をテクニカルポイントを取って破ったのは大きな進歩。その実績は知らなかったそうで、「それがよかったのかもしれない」と話し、相手の肩書きに恐れてはならないことを、あらためて知ったようだ。

 国内では“勝つのが当たりまえ”の地位を築いたが、10月の愛媛国体は負傷のため決勝を棄権しており、国内大会で黒星がついてしまった。けがも回復したことで、「しっかり勝って再スタートしたい」と気を引き締めた。

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