市域越え人命守る 広域化後初の総合訓練 横須賀市消防局

 火災が多発する冬を迎えるのを前に、横須賀市消防局の総合訓練が24日、同市長瀬の消防総合訓練センターで行われた。4月に同市と三浦市の消防広域化の運用が開始されて初の総合訓練で、約120人が参加。市域を越えて市民の安全と安心を守る連携を確認した。

 総合訓練は2回に分けて実施した。南消防署と三浦消防署の合同訓練は、市境にある障害者福祉施設での火災を想定。両消防署の隊員が駆け付け、はしご車による放水や、建物に取り残された要救護者を助け出し、治療の優先順位を決めるトリアージを行う場所まで搬送する活動を行った。

 消防広域化は、市境での火災や救急対応の迅速化などが目的。横須賀市消防局によると、運用開始から10月31日までに発生した火災59件のうち、市境を越えて出動したのは5件。救助では98件のうち18件だった。

 運用開始に伴い三浦市消防本部は廃止され、横須賀市消防局として4署1分署10出張所1派遣所体制となった。2市の人口約45万人、約133平方キロメートルをカバーしている。

 訓練後、横須賀市消防局の榎木浩副消防局長は「三浦市と広域化して、消防力が強化された。これからも両市民の安全、安心を守るために力を発揮してほしい」と述べた。

 中央消防署と北消防署の合同訓練も実施。米海軍横須賀基地のメインゲート前で起きた乗用車の衝突事故を想定し、両消防署の隊員が負傷者の救護活動を行った。

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