三菱製鋼、特殊鋼でインド進出検討 巻ばねを一貫生産へ

 三菱製鋼はインドネシアに続きインドでも特殊鋼鋼材の生産を開始することで、検討に入った。24日に都内で行われたIR説明会で佐藤基行社長が明らかにした。インドネシアでは素材となる特殊鋼鋼材から最終製品のばねまで一貫生産する体制を整えたが、このビジネスモデルをインドにも拡大していこうという戦略だ。

 インドネシアでは現地の電炉メーカー「ジャテイム・タマン・スチール」への出資・技術援助に加え、棒鋼圧延工場を新設することで特殊鋼鋼材の一貫生産体制を整えた。半分を板ばね用素材(平鋼)として板ばねの生産委託先「インド・スプリング社」に供給、残り半分を三菱製鋼自身がインドネシア国内を中心に丸鋼として販売する計画になっている。

 板ばね用平鋼については、すでに生産・販売を開始しているが、丸鋼は9月から販売を開始したばかりで、9~12月累計で約1千トン販売する計画。

 特殊鋼とばねの両事業を持っている強みを生かした海外戦略で、これをインドでも展開する方針だ。

 インドでは現地のばねメーカー「SSSS社」と組んでばね事業を展開している。SSSS社主導の合弁会社では自動車用巻ばね・スタビライザを生産。加えて三菱製鋼主導の合弁会社が建設機械用太巻ばねの新工場を建設、9月から量産を開始している。これらの素材を現地供給するため、特殊鋼鋼材でのインド進出を検討しているもの。

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