がん死亡率13年連続ワースト/青森県 大腸がん検診率向上へモデル事業

©株式会社デーリー東北新聞社

青森県内の主ながんによる死亡率と改善率

 国立がん研究センターによると、青森県内の2016年のがんによる75歳未満年齢調整死亡率(人口10万人当たり)は93・3人で、13年連続でワーストとなった。県が策定を進める「第3期県がん対策推進計画」(18~23年)の素案では、計画期間内に81・3人まで抑える目標を掲げており、達成には効果的な対策が不可欠。部位別の死亡率で大腸がんが11年連続で全国最下位となった状況も踏まえ、県は12月から、大腸がん検診に着目した新たなモデル事業に着手するなど対策を進める。

 主な部位のがん死亡率と全国順位を見ると、大腸(14・6人)がワーストとなったほか、胃(10・6人)や乳房(12・2人)が45位など引き続き下位にとどまった。

 05年と16年を比較した改善率では胃(35・2%)や肺(8・5%)で改善が見られた。一方、大腸は20%以上悪化し、全国との差が開いた。

 大腸がんは早期に発見できれば生存率が高く、がん検診の中で唯一、医療機関に出向かなくても検査できる。この点に注目し、県は来月から青森と弘前両市の50代で、過去5年間に未受診の約4万2千人を対象としてモデル事業を実施する。

 対象者に便潜血検査のキットを送付し、近くの薬局や郵送で検体を回収。手軽に検診を受けられる仕組みだ。希望すれば、無料で内視鏡の検査も可能。

 また、事業で得られたデータは分析調査に活用する考え。受診者と非受診者の罹患(りかん)率や死亡率を比べ、がん検診の重要性や精密検査の必要性を科学的に示すことにより、これまで受診に消極的だった人にも効果的にアプローチする方針だ。

 24日には実施市町村や医師会、薬剤師会などの代表者による会議が青森市で開かれ、モデル事業の実施に当たって具体的な手順などを確認した。

 出席した国立がん研究センター検診研究部の斎藤博部長は全国的にも珍しい取り組みと評価した上で、「青森県が直面してきた高い大腸がん死亡率の解決策としての意義は大きい」と期待を寄せた。

あなたにおすすめ