【非鉄流通のいま】〈電子、包装資材の専門商社・丸正〉アルミ箔・銅箔・リボン線扱い 提案型営業が強み

 丸正(本社・大阪市、社長・石黒祥介氏)は、アルミ箔・銅箔・太陽電池用リボン線などを扱う電子・包装資材の専門商社。日本製箔(現UACJ製箔)に勤務していた石黒祥介社長の父・故春雄氏が1944年に創業、54年に法人化した。事業は医薬包装材料、食品包装材料、電子部品用材料が3本柱。拠点は本社、2営業所(東京・長野)と大阪府吹田市の配送センター。海外は中国・上海に事務所を置く。従業員は50人。

 「創業以来、エレクトロニクス分野、パッケージ分野でアルミ箔や樹脂シートなどの資材を供給する専門商社として歩んできた。提案型営業が当社の強みであり、今後もお客様のニーズを反映した新材料の企画や市場開拓など、高付加価値かつ最新のサービスの提供に努めたい」(石黒祥介社長)。

大阪市北区の本社

 以前は電子部品用材料が売上高の半分を占めた。「売上高比率はこの10年で変わり、今では医薬50%、電子部品30%、食品20%。医薬は今後数年堅調が見込めるが、それもいずれはピークアウトしてしまう。そのためにも電子部品用材料と食品を伸ばしたい」(石黒達也専務)。

 太陽電池用リボン(絶縁被覆リボンや組リボン)のパイオニアとして知られ、20数年の実績を持つ。90年代にはワープロ用バックライトを国内主要ユーザーに納入した。独自の企画力と実践体制には定評がある。ISO認証は01年に環境ISOを、04年には品質ISOを取得済みだ。

 今期(18年9月期)売上高は前期比4・8%増の46億円を見込む。経営体質は強固で、創業時から経常赤字は一度もないという。

 主要仕入れ先はUACJ製箔、三菱ケミカルなど。コンバーター(フィルム加工業者は約10社。販売先は全国約300社。

 「人材育成には力を入れているが、さらに強化していく。加えてお客様のニーズに応じ、商材を提案できる力も磨きたい。例えばキャパシタ(電気二重層の現象の原理を応用した蓄電池)やICタグなどは今後有望な市場。これまで通りの堅実な経営手法を大事にしながら、業容拡充に努めたい」(同)という。(白木 毅俊)

会社概要

 ▽資本金=5千万円

 ▽年商=43億8900万円(17年9月期実績)

 ▽本社=大阪市北区天満3―11―12

 ▽社長=石黒祥介氏

 ▽TEL=06―6352―3981(代)

 ▽主な扱い商品=医薬品用アルミ箔、医薬品用樹脂シート、複合フィルム、アルミ箔、銅箔、太陽電池用リボン線

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