【MLB】渡米の韓国選手が続々母国復帰、韓国紙が厳しい論調「期待より遥かに低い…」

韓国球界に復帰が決まった朴炳鎬【写真:Getty Images】

メジャー挑戦の韓国人選手がKBO復帰、韓国紙が特集

 今オフは複数の韓国人選手が母国リーグに復帰した。ジャイアンツに所属した黄載均(ファン・ジェギュン)内野手はKTウィズと4年契約で合意。またツインズに所属していた朴炳鎬(パク・ビョンホ)内野手も契約途中で古巣ネクセンに復帰が決まった。これを受け、韓国メディアは母国の有力選手たちがメジャーの「高い壁」に跳ね返されたと厳しい論調でレポートしている。

 昨オフ、ジャイアンツとマイナー契約を結んだ黄は6月にメジャー昇格。一塁手として52試合に出場したが、打率.154、1本塁打、5打点と不本意なシーズンに終わり、メジャー挑戦1年で母国復帰となった。一方、韓国プロ野球(KBO)で2シーズン連続50本塁打以上(52本、53本)をマークした強打者・朴はポスティングシステムを経て2015年オフにツインズと4年総額1200万ドル(約13億3000万円)の契約を締結したが、3年目を迎える前に母国への復帰となった。1年目で12本塁打を放つも打率.191と苦しみ、7月以降はメジャーの舞台に立てず。2年目の17年もメジャー昇格をつかめず、渡米2年で62試合の出場にとどまった。

 これを受け、韓国紙「コリア・タイムズ」は「韓国人選手たちの出戻りが示す、MLBの高い壁」との見出しで特集。母国の有力選手がメジャーで苦しんだ様子を伝えた。

 同紙は「メジャーに渡った韓国人選手たちが続々と韓国の球団に戻っている」とレポート。「彼らの状況は異なるが、出戻りの選手に共通することとしては、期待されていたところより遥かに低いレベルのパフォーマンスしかできず、世界一競争力のあるリーグにフィットできなかった、ということだ」と厳しい論調で伝えた。

金賢洙も「将来のメジャーでのキャリアに疑問残る」

 記事では、16年にオリオールズに加入後、今季途中にフィリーズにトレードとなり、現在フリーエージェント(FA)となっている金賢洙(キム・ヒョンス)外野手についても「将来のメジャーでのキャリアに疑問が残る」と言及。また、近年メジャー挑戦を目指していた孫児葉(ソン・アソプ)外野手もロッテと新たに4年契約を結んで韓国球界にとどまったことに触れ、メジャーでの成功に厳しい壁が立ちはだかっている様子を伝えている。

 韓国選手では15年からパイレーツでプレーした姜正浩(カン・ジョンホ)内野手が2シーズンで打率.273、36本塁打、120打点と結果を残したが、16年オフに母国での飲酒運転等のトラブルにより、就労ビザが下りずに17年シーズンはメジャーでプレーできなかった。その後、参加していたドミニカ共和国のウインターリーグでもリリースとなったことが伝えられていた。昨季は元ソフトバンクの李大浩(イ・デホ)内野手がマリナーズでメジャーデビューしたが1シーズンで韓国球界へと復帰している。

 現在は秋信守(チュ・シンス)外野手がレンジャーズでレギュラーを担い、今季はキャリア最多タイの22本塁打(通算168本塁打)を記録。投手では柳賢振(リュ・ヒョンジン)がドジャースで4シーズンを終え、手術による離脱もあったが通算33勝(25敗)をマーク。また元阪神の呉昇桓(オ・スンファン)もカージナルス2年目で防御率4.10と苦しんだが、2シーズンで138試合に登板し、7勝9敗、21ホールド、39セーブ、防御率2.85を記録している。

 その一方で韓国国内で実績を積んだ打者の多くがメジャーで苦しむ結果となり、韓国国内でも厳しい目が向けられている。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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