日ハム鍵谷、60試合登板で2200万円アップも笑顔なし その理由は…

契約更改に臨んだ日本ハム・鍵谷陽平【写真:石川加奈子】

5000万円でサイン「上がったのはうれしいですけど…」

 日本ハムの鍵谷陽平投手が29日、札幌の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2200万円アップの5000万円でサインした(金額は推定)。

 5年目の今季は、ここ数年目標としていた50試合登板を初めてクリア。60試合に登板して、2勝3敗17ホールド1セーブ、防御率2.53とキャリアハイの好成績を残した。

 納得の数字を残し、大幅アップを勝ち取ったにも関わらず、会見では笑顔を見せなかった。「上がったのはうれしいですけど、その分、責任もありますし、やらなきゃいけないので。浮かれるのではなく、より一層引き締めていきたいです」。日本ハムの生命線である中継ぎ投手陣の中心を担う覚悟の現れだった。

 今季途中に谷元がトレード移籍し、セットアッパーのマーティンは退団が決定。抑えの増井はFA宣言して去就未定と、来季の勝利の方程式はまだ見えてこない。

「ファイターズは中継ぎ、抑えで僅差のゲームを勝ち抜くというスタイルでやってきた伝統があります。谷元さんもそうだし、増井さんもまだわからないですけど、そこをしっかりと埋めていかないといけないと思います。僕が一番しっかりやらないといけない」

 自分自身に言い聞かせるように、力を込めた。

オフは宮西らとハワイで自主トレ「勉強になると思ったのでお願いしました」

 投手陣だけではなく、チーム全体も引っ張っていく。「いつまでも上の方に頼っていられない。中島はじめ僕や(西川)遥輝で引っ張っていけるようにしていきたい。上の方にはプレーに集中してもらって、僕たちがしっかりチームをまとめて引っ張っていきたいなと思います」と頼もしい。

 12月上旬には宮西、加藤とともにハワイで自主トレを行う。10年連続50試合登板を達成した宮西の姿は、これまでキャンプとシーズンを通して間近で見てきた。「オフの期間だけ、宮西さんの唯一知らない面があるので。どうやってオフを過ごしているのか興味もありましたし、勉強になると思ったのでお願いしました」と言う。

 来季の目標は、1度も1軍を離れることなく、50試合登板を続けること。そして日本一奪還だ。「今年も200万人を超えるたくさんの方が来てくださった中で5位という成績に終わってしまった。しっかり受け止め、来年もう一度優勝できるようにやっていきたいです」と表情を引き締めた。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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