11年ぶりBクラス巨人の外国人査定 FA補強と対照的な“大当たり”

マシソンのこれまでの成績一覧

FA3選手獲得の「総額30億円補強」は…

 11年ぶりのBクラスという屈辱を味わうことになった巨人。2014年以来のリーグ優勝を至上命令として臨んだ2017年シーズンだったはずが、終わってみれば、初めてクライマックスシリーズ出場も逃す4位に沈んだ。72勝68敗3分と4つの貯金を作ったが、悔しさだけが残る1年となった。

 今季はDeNAから山口俊投手、ソフトバンクから森福允彦投手、日本ハムから陽岱鋼外野手とFA権を行使した3選手を獲得。史上初のFA3人獲りとなり「総額30億円補強」として騒がれたものの、結果的にこの3選手は結果を残すことが出来ず。日本人補強が無残な結果に終わった反面、今季の助っ人外国人は、それなりの結果を残し、チームに十分貢献する内容だった。

 来日6年目となったスコット・マシソン投手は今季もセットアッパーとして59試合に登板。3年目となったマイルズ・マイコラス投手も14勝をマークして十分な成績を収めた。今季の新助っ人であったアルキメデス・カミネロ投手もクローザーとして29セーブをマークし、3人の助っ人投手はきっちりと活躍した。野手でも今季加入し、4年ぶりに日本球界に復帰したケーシー・マギー内野手が三塁、二塁でプレーし、打率.315、リーグ新記録となる48二塁打を放っている。

 この4選手がきっちりと1軍で活躍したため、不振だったルイス・クルーズ内野手はファーム暮らしが長く、7月下旬に負傷者が続出していた楽天へ金銭トレードで移籍した。ギャレットに関しては1軍出場すら無し。シーズン丸々ファーム暮らしを強いられた。それでも、ほとんどの期間で1軍にいた助っ人4選手がこれだけの結果を残しており、助っ人補強は成果を上げたと言えるだろう。

 ここでは、これらリーグ4位に終わった巨人の今季の外国人の成績と働きぶりを振り返ってみたい。

○スコット・マシソン
59試合(0先発)4勝4敗27ホールド2セーブ 防御率2.24
68回1/3 52安打18四球1死球6本塁打79奪三振 WHIP1.02

 フィリーズから2012年に巨人に加入したリリーフ右腕。1年目こそ序盤につまずいたものの、40試合に投げると、2年目の2013年は63試合に登板。そこから4年連続60試合超に登板。今季は60試合に1試合届かない59試合だったが、5年連続50試合登板を達成。68回で18四球と制球面が安定しており、WHIPも1.02と上々の成績を残した。来季契約も合意しており、貴重な戦力として期待される。

マイコラスにはメジャー復帰の可能性も…

○マイルズ・マイコラス
27試合(27先発)14勝8敗 22QS 防御率2.25
188回 162安打23四球11死球10本塁打187奪三振 WHIP0.98

 パドレス、レンジャーズを経て2015年から巨人へ。今季で3年目。来日1年目は13勝をマークし、最高勝率のタイトルを獲得。2年目の昨季は右肩痛の影響で14試合の登板にとどまったが、今季は復活。27試合に先発して14勝を挙げ、22試合で6回自責点3以内のクオリティースタートを達成している。188イニング、187奪三振もリーグ最多。セ・リーグの規定投球回到達者でWHIPが1.00を切るのは、チームメートの菅野智之とマイコラスしかいない。巨人にとっては不可欠なスターターではあるが、メジャー復帰の可能性も出ている。

○アルキメデス・カミネロ
57試合(0先発)3勝5敗4ホールド29セーブ 防御率2.42
63回1/3 56安打23四球4死球4本塁打65奪三振 WHIP1.25

 マーリンズ、パイレーツ、マリナーズを経て今季から巨人に加入。160キロ前後のストレートを武器に、開幕からクローザーの座につくと、29セーブをマークした。WHIPはマシソンに劣るものの、イニング数を上回る三振を奪っており、走者こそ出せども、得点は与えないという投球スタイルが数字からもうかがえる。今季の補強として“当たり”だと言っていいだろう。来季契約の合意の発表されており、2年目の飛躍が期待される。

○ルイス・クルーズ(楽天へ移籍)
9試合 32打数5安打0本塁打3打点 打率.156
0四球3三振 出塁率.156 得点圏打率.111 OPS.339

 ブルワーズ、ドジャースなどを渡り、ヤンキースから2014年にロッテに加入。高い守備力を誇って2年間ロッテでプレーし2016年から巨人に移籍。昨季は負傷もあって81試合出場にとどまると、今季はマシソン、マイコラス、カミネロ、マギーの4人が外国人枠を埋め、ファーム暮らしを余儀なくされた。1軍に昇格しても結果が残せず、7月下旬に金銭トレードで楽天へと移籍した。

○ケーシー・マギー
139試合523打数165安打18本塁打77打点 打率.315
58四球107三振 出塁率.382 得点圏打率.350 OPS.897

 2013年に楽天に在籍し、楽天初の日本一に貢献。2014年はメジャーに復帰してマーリンズに在籍。160試合に出場する。2015年からジャイアンツ、マーリンズ、タイガースと渡り歩く中でなかなか結果を残すことが出来ず、今季巨人に加入して4年ぶりに日本球界に復帰した。加入1年目は打率.315、18本塁打を放って、打線に欠かせぬ存在に。序盤は三塁を守ったが、シーズン途中から二塁を守った。来季の契約も合意に達している。

○ギャレット・ジョーンズ
今季1軍出場なし

 パイレーツ、マーリンズ、ヤンキースなどでプレー。メジャーで6年連続2桁本塁打、通算122本塁打を放った実績を引っ提げ、2016年に巨人に加入した。開幕戦で4番に入り、第85代4番打者となった。1年目は123試合に出場して24本塁打を放ったが、2年目の今季は1軍出場すら無し。クルーズと同様、外国人枠の争いに敗れ、ファーム暮らしが続いた。

(Full-Count編集部)

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