【MLB】来季はともに更なる躍進へ 田中将大、ヤンキースと楽天は「似た部分ある」

Koboパーク宮城でキャッチボールをするヤンキース・田中将大【写真:編集部】

古巣の本拠地を訪問、ヤンキース世界一へ「距離は縮まった」

 ヤンキースの田中将大投手が30日、古巣・楽天の本拠地Koboパーク宮城で自主トレを行った。今季はリーグ優勝決定シリーズに進出し、ワールドシリーズまであと1勝というところまで迫りながら、世界一に輝いたアストロズの前に3勝4敗で敗退。ただ、伸び盛りの選手が揃うヤンキースは来季以降も躍進が期待される。

 契約を破棄してFAとなれる「オプトアウト」の権利を行使せず、残留を決断した右腕は、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルでソフトバンクに敗れた楽天とヤンキースについて、「似た部分がある」と表現。自身初の世界一へ向けて「今年で距離は縮まったと思う」と手応えを示すとともに、あらためて意欲を見せた。

 毎年恒例となっている仙台訪問。Koboパーク宮城の室内練習場に姿を見せた田中は筋力トレやキャッチボールで汗を流した。「こうして毎年、みなさんと会うことができて本当にありがたく思いますし、そう迎えてもらえるような選手であり続けられるようにこれから頑張りたいです」。7年間在籍した古巣への愛着は当然、薄れることはない。

 今季はレギュラーシーズンで好不調の波が激しく、苦しい時もあった。しかし、ポストシーズンでは圧巻のピッチングを披露。2連敗で迎えたインディアンスとの地区シリーズ第3戦では、7回3安打無失点の快投で崖っぷちのチームを救い、大逆転突破への流れを作った。リーグ優勝決定シリーズ第1戦では6回2失点ながら敗戦投手となったものの、2勝2敗で迎えた第5戦では7回3安打無失点と再び快投。王手をかけたチームはその後2連敗で敗退したが、田中のポストシーズンでの成績は3試合で2勝1敗、防御率0.90、WHIP(1イニング当たりの四球+安打)0.65とまさに圧巻だった。

ヤンキースも楽天も「若い選手も出てきていて、これからのチーム」

「アップダウンが激しいシーズンだったので、なかなか本当に思いどおりにいかなかったシーズンではありましたけど、そういった中でも自分の課題に立ち向かって戦い続けたことが、シーズン最後の最後に報われたのかなというとこあった。シーズン最後はいい形で終わりましたけど、それをやっぱり来シーズンは年間通してコンスタントにできるように。次はそういうところに向かってやっていかないといけないなと思います」

 その先に見えるのは、自身初の世界一。目標ははっきりとしている。

「今シーズンはワールドシリーズ進出まであと1歩というところまで行きましたし、ワールドシリーズ制覇という目標に向けて、その距離は今年で縮まったなと思います。でも、そこは近いようでまだまだ。今年ここまで来られたから来年も行けるかと言われたら、もちろんそうではないのが野球だと思いますし。しかし、その距離感は見えてきたと思いますので、チームの成長とともに自分もしっかり成長していって、チームの1つのピースになれるように投げていきたいと思います」

 そして、ヤンキースの躍進が古巣と重なれば最高だ。楽天は今季、シーズン序盤で首位を走りながら、徐々に失速。それでも、田中の大活躍で日本一に輝いた2013年以来のCS進出を果たした。

 古巣の成績を米国でもチェックしているという右腕は「本当にファンの方々と同じ心境で見ていたと思います」としつつ、「僕が在籍していたときと比べると、選手も顔ぶれが変わってきていて、若い選手も出てきていて、これからのチームだという部分もあると思う。そういうところはヤンキースと似た部分なのかなと感じてます。あまりチームの状況、事情は分からないので、それ以上は言えないですけど」と話した。

 来季はヤンキースがワールドシリーズに進出し、楽天は日本シリーズへ――。成長著しい選手が揃う両チームの快進撃に期待がかかる。

(Full-Count編集部)

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