トロロッソ・ホンダの実車第1号がサプライズ登場。2018年は今年以上にアグレッシブなPRも

 2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー(Car of the year/通称COTY)の最終選考候補者10台による試乗会が11月29日、富士スピードウェイで行われたが、そこでなんと、N-BOX仕様ではあるがトロロッソ・ホンダの実車第一号がアンベイル(?)されていたのだ。

 写真をご覧になってわかるように、今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーの1台に選出されているN-BOXが、レッドブルのロゴを纏ったトロロッソ仕様のカラーリングで登場。ホンダとして、トロロッソ仕様のはじめてのクルマが軽自動車でお披露目されたわけだが、このトロロッソ・ホンダN-BOX仕様の登場経緯が興味深い。このカラーリングを発案したのは、ホンダ広報部の女性社員、徳本優さん。

「何か面白いPRができないかと考えて、F1アブダビGPのタイミングで現場にいるモータースポーツ部の山本(雅史部長)に連絡を取ってデザイン案を送り、その場でチーム側に許可を頂きました」と、発案から実行まで、わずか数週間という異例のスピードで行われたというから驚きだ。

 マクラーレンとの契約は最終戦アブダビGPまでのため、アブダビGPが終わった翌日からはトロロッソのイメージでプロモーションができる。ビッグチームであるマクラーレンでは考えられなかったスピード感、ホンダ主体のユニークなアイデアがトロロッソとのコラボレーションで実現できることが、今回のN-BOXでも明かになったのだ。

「日本で一番売れている自動車であるN-BOX(2017年新車登録台数1位)は日本を代表するクルマとして海外からの注目も高くて、いろいろな国の方から取材を受けています。今回のトロロッソと組むことで世界へもっとアピールしていきたいですね」と今後の期待を語る徳本さん。それこそ近い将来、軽自動車のN-BOXがトロロッソの母国であるイタリアで颯爽と走っている姿を見ることができるかもしれない。

 このトロロッロ・ホンダN-BOX仕様は、地の青はもともとN-BOXにランアップされているブリリアントスポーティブルー・メタリック。偶然にもレッドブルのブルーのイメージと似ており、そのベース車両にレッドとシルバーのカッティングシートでカラーリングされている。

 今のところトロロッソ仕様の販売予定はないとのことだが、モータースポーツファンとしては、実際のF1でトロロッソ・ホンダがチャンピオンに輝き、タイトル獲得の記念モデルとしてトロロッソ仕様の市販車を販売するのを期待したいところだが、その際はNSXではなく、N-BOXになるかもしれないが、それもまた一興。

 このトロロッソ・ホンダN-BOX、今週末のHonda Racing THANKS DAYにも登場するかもしれず、そうなると来季のレギュラードライバーでもある、ピエール・ガスリーがステアリングを握って・・・と、ささやかな楽しみは尽きない。

 昨年から国内外問わず、ホンダのモータースポーツ活動はPR活動がユニークになっている。マクラーレンからトロロッソに変わり、インパクトの強いPRで知れたレッドブルと組み合わさることで、来季のホンダのアプローチは今まで以上にファンを楽しませてくれそうだ。

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