日ハム松本、3.5倍増の2270万円 来季目標は「外野定位置」&「打率3割」

契約更改交渉に臨んだ日本ハム・松本【写真:石川加奈子】

5年間でわずか25試合出場が…今季は115試合出場で打率.274と大ブレーク

 日本ハムの松本剛内野手が30日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、650万円から3.5倍増となる年俸2270万円でサインした(金額は推定)。

 プロ6年目で初めて規定打席に到達して臨んだ交渉。「ちょっとプロ野球選手らしい金額になったのかなと実感しています」と笑った松本が金額以上に楽しみにしていたのは、球団からの言葉だった。

「本当にいい言葉をたくさん並べていただきました。『来年期待しているし、中心選手として引っ張っていく立場に少しでもなっていってほしい』と。そう言っていただいただけでうれしいので、応えられるようにと思いました」

 球団の期待を真っ直ぐに受け止め、奮い立った。

 5年間でわずか25試合しか出場していなかった男が、6年目で大ブレークした。4月23日に1軍昇格すると、4月25日ソフトバンク戦(北九州)で千賀からプロ初本塁打を含む2発を放って存在感を発揮。交流戦では12球団2位となる打率.396で日本生命賞を受賞して、2番打者として外野のレギュラーを不動のものにした。

 115試合に出場して打率.274の成績を残し、シーズンオフには侍ジャパンにも選出された。アジアプロ野球チャンピオンシップ2017では、スタメンで2試合出場し、優勝に貢献してベストナインに選ばれた。

 今季飛躍の要因はメンタル面にあったと自己分析する。

「去年は気持ちの切り換えができずに引きずっていました。今年は、この1打席で終わってしまう、でも少なからずゼロではないという思いで、後悔しないようにと打席に立ちました。その次の1打席は、また新しい気持ちでというのが良かったと思います」

今季は西川と大谷をつなぐ2番にやりがい、来季も「数字を残さないと」

 1番の西川と3番の大谷をつなぐ2番という役割にやりがいを見出した。「2番を打ちたいという気持ちがシーズン途中から芽生えたので、そこを目指したいし、そこに僕が必要だと思ってもらえるように。前後のバッターを理解した上で、それに見合う2番バッターになれたら、チームとしてもいい方向にいくのではないかと思います」とイメージをふくらませた。

 この日の交渉の席では、来季の守備位置についての話も出たという。内野手登録ながら今季守ったのは主に外野。「内野もできるにこしたはないですし、僕自身も取り組んでいくつもりです。ただ、外野の一角のレギュラーを取りにいくという気持ちは変わっていないです」と話した。

 レギュラーを奪っても、球団から褒められても、おごることなく、これまで同様ひたむきに練習に取り組んでいく。「やっとスタートラインに立てたという思いが強いです。1年よくて2年目ダメな選手もたくさんいるので、来年続けないと、意味がない。今年の数字は全く関係なく、一からスタートして、レギュラーを取るというのを最優先にしてこのオフ取り組んでいきたいです」と表情を引き締めた。

 オフのテーマは、長所である打撃技術のさらなる向上だ。来季目標とする数字を問われると堂々言い切った。

「自分では特徴のない選手だと思っていますし、数字を残さないと試合に出られないというのは今年も感じていました。数字を残せば、明日も試合も出ているんじゃなかという気持ちが日々あったので、来年は打率3割を目指してやっていくことを決めています」

 今季5位と低迷したチームの中から飛び出した期待の新星は、来季さらなる輝きを放つはずだ。

(Full-Count編集部)

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