皆さんは『TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD』をご存知だろうか。
J1、J2、J3のクラブに登録されている23歳以下の選手を対象とし、「世界の舞台でもプレッシャーに負けず、サッカー界に革新を起こすであろう選手を表彰する」ことが目的とされ、先日までユーザーによる投票も受け付けていた賞である。
はたしてノミネートされた三十名の中から誰が最優秀選手に選ばれるか、発表が待ち遠しいところだが、その結果を前に筆者が独断でこの三十名を「番付」を行ってみることにした。
リーグ、ポジション、チーム状況が全て異なるため、やや強引な印象もあるかもしれないが、「Jリーグにおける現時点でのU-23ランキング」として楽しんでもらえると幸いだ。
なお、今回は以下の三項目を採点材料とし、各々で最高5段階の評価をつけた。
一つ目は、Jリーグの他選手と比較した上で、現能力がどれほどのレベルにあるかの「総合力」。二つ目は、(現時点で)どこまで成長を期待できるかの「将来性」。三つ目は、今季のパフォーマンスがどれほどチームに貢献したかを表す「貢献度」である。
では、早速見ていこう。
第30位:岸本武流(セレッソ大阪/セレッソ大阪U-23)
総合力:★★
将来性:★★
貢献度:★★
第29位:加藤潤也(ガイナーレ鳥取)
総合力:★★
将来性:★★★
貢献度:★★★★
第28位:小泉慶(アルビレックス新潟)
総合力:★★★
将来性:★★★
貢献度:★★★
第27位:金子翔太(清水エスパルス)
総合力:★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★
第26位:田川亨介(サガン鳥栖)
総合力:★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★
第25位:中川寛斗(柏レイソル)
総合力:★★★
将来性:★★★
貢献度:★★★★
第24位:永井堅梧(カターレ富山)
総合力:★★★
将来性:★★★
貢献度:★★★★★
第23位:三好康児(川崎フロンターレ)
総合力:★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★
第22位:高橋壮也(サンフレッチェ広島)
総合力:★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★
第21位:高井和馬(ザスパクサツ群馬)
総合力:★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★
第20位:西村拓真(ベガルタ仙台)
総合力:★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★
第19位:マテウス(大宮アルディージャ)
総合力:★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★
第18位:前田大然(水戸ホーリーホック)
総合力:★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★★
第17位:冨安健洋(アビスパ福岡)
総合力:★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★★
第16位:杉岡大暉(湘南ベルマーレ)
総合力:★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★★
第15位:松原后(清水エスパルス)
総合力:★★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★
第14位:室屋成(FC東京)
総合力:★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★
第13位:鈴木優磨(鹿島アントラーズ)
総合力:★★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★
第12位:ホニ(アルビレックス新潟)
総合力:★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★★
第11位:青木亮太(名古屋グランパス)
総合力:★★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★★
第10位:三浦弦太(ガンバ大阪)
総合力:★★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★★
第9位:岩波拓也(ヴィッセル神戸)
総合力:★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★★
第8位:中山雄太(柏レイソル)
総合力:★★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★★
第7位:中谷進之介(柏レイソル)
総合力:★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★★
第6位:ミロシュ・デゲネク(横浜F・マリノス)
総合力:★★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★★
10位からは6位は、「U-23」のみならず、Jリーグを代表するセンターバック陣が並んだ。
まず10位はガンバ大阪の三浦だ。
日本代表に招集されたことを踏まえ、もう少し上位でのノミネートを考えたが、シーズン序盤と比較すると中盤から後半にかけて失速した点をマイナスした。度々失点に繋がるような軽いプレーが見られ、持ち前のアグレッシブかつ冷静な守備、積極的なフィードも減ってきたところは残念であった。
続いて9位には来季の去就にも注目が集まる岩波。
今季は好不調の波も収まり、リーダーとしての風格すら出てきた印象で、周囲に与える安心感もレベルアップ。日本代表招集も考えられる位置にまで来つつある。
8位と7位は共に柏レイソルの躍進を支えた、中谷と中山のCBコンビを選出。
守備者としての実力もさることながら、仲間を鼓舞できるパーソナリティでチームを支えた中谷。DFらしからぬ足元の技術で攻撃の基点としての重役も担った中山は、今季大きな成長を見せた二人とも言えるだろう。
続いて6位は、オーストラリア代表でもレギュラーポジションを掴み、厳しいW杯プレーオフも戦い抜いたミロシュ・デゲネク。
横浜F・マリノスにおいても、重鎮中澤佑二と鉄壁の守備ブロックを形成し、上位躍進の原動力となった。そのパワーに目がいきがちだが、クレバーさ、スピード、ボール配給能力も水準以上のものをもっており、CBとしての能力は「Jリーグでも屈指」と評しても差し支えないだろう。
第5位:植田直通(鹿島アントラーズ)
総合力:★★★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★★
第4位:ク・ソンユン(北海道コンサドーレ札幌)
総合力:★★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★★
第3位:川辺駿(ジュビロ磐田)
総合力:★★★★★
将来性:★★★★
貢献度:★★★★★
第2位:井手口陽介(ガンバ大阪)
総合力:★★★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★★
第1位:中村航輔(柏レイソル)
総合力:★★★★★
将来性:★★★★★
貢献度:★★★★★
ここからベスト5となるが、5位はA代表にも2年9ヶ月ぶりに招集された植田直通。
シーズン途中には人生において初めてとなる「負傷離脱」を味わったが、復帰後はさらなるエンジンがかかったかのような活躍。恵まれた身体能力を活かした圧倒的な対人能力はJ最高峰にあり、空中戦においては、数々の勝利を収めた。まだまだ荒削りな部分があるが、それだけに先も楽しみだ。
そして4位には、16年ぶりのJ1残留を決めた北海道コンサドーレ札幌のゴールマウスに鍵をかけたク・ソンユン。
シーズン後半戦にゴールラッシュを見せたジェイのインパクトが強かったが、「残留の立役者」といえば、彼の名前を挙げざるを得ないだろう。誰しもがゴールを覚悟するようなシュートに対してもビッグセーブを連発。チームが勝点を獲得した試合では必ず彼の働きがあった。
続いて3位だが、今季瞬く間にチームのキーパーソンへ進化を遂げた川辺駿だ。
元々その優れた攻撃センスに定評があったが、ボランチというポジションで覚醒。サッカーセンスを感じさせるボール奪取からそのまま敵陣まで運ぶドリブルは、幾度となく観衆を湧かせた。このポジションとしてはリーグ最上位である「4得点5アシスト」という数字面での結果も残しているが、更なる爆発も期待できる逸材だ。
2位は少々迷ったが、日本代表においてもその地位を築き始めた井手口陽介。
Jリーグにおけるパフォーマンスは、低迷するチームの影響もあり、評価が分かれるのも事実だろう。ピンチに繋がるボールロストやパスミスが見られたり、消える時間が多い試合も正直あった。だが、その一方でこのポジションにおいて彼を上回る能力を持った選手を探すことが難しいというのも事実だ。最終予選で日本をW杯出場に導いた超ゴール、ブラジル、ベルギー戦で見せた物怖じしないプレーなどは、国内規格から少しはみだしている感すらある。
最後に1位だが、ここは文句なしで柏レイソルの守護神、中村航輔にすることにした。
ゴールキーパーに求められる能力を満遍なく備えているが、とりわけ必要不可欠である「絶対に止める!」という気迫を感じさせるオーラは、もはや若手の“それ”ではない。イーブンなボールに対する処理判断、守備から攻撃へのポジティブトランジション、ディストリビューション能力の面などはまだまだ成長の余地もあり、その後の進化からも目が離せないだろう。