【MLB】大谷の移籍先に田中将大も「どこ行くのかな」 去就12月中決着は「いいこと」

Koboパーク宮城で自主トレを行ったヤンキース・田中将大【写真:編集部】

自身の時は去就決定が長期化、経験踏まえて見解明かす

 ヤンキースの田中将大投手が30日、古巣・楽天の本拠地Koboパーク宮城で自主トレを行った。来季のワールドシリーズ制覇に改めて意欲を見せた右腕は、日本ハムからポスティングシステム(入札制度)でメジャー挑戦に踏み切る大谷翔平投手についても言及。システム上の問題もあって去就決定が長引いた自身の経験を踏まえ、今オフのポスティングシステムでは大谷の移籍先が12月中に決まることについては、「いいと思います」とポジティブな要素になるとの見方を示した。

 今年もかつての本拠地に戻ってきた田中。筋力トレやキャッチボールで汗を流し、「迎えてもらえるような選手であり続けられるように、これから頑張りたいと思います」と気持ちを新たにした。

 さらに、来季へ向けては「ワールドシリーズ制覇という目標に向けてはその距離は今年で縮まったと思います。今年ここまで来られたから来年も行けるかと言われたら、もちろんそうではないのが野球だと思います。しかし、その距離感は見えてきたと思いますので、チームの成長とともに自分もしっかり成長していって、チームの1つのピースになれるように投げていきたいと思います」と改めて誓った。

 そして、日米で注目度が高まっている大谷についても言及。自身が所属するヤンキースなど、様々な球団が移籍先の候補として浮上しており、「僕もどこに行くかなって思って見ているだけです」と話す。自身の時も大争奪戦が展開され、決断に注目が集まったが、その前にポスティングシステムがなかなか日米間で合意に達しなかったため、スケジュールは大幅にずれ込んだ。

「どうなるんだろうっていう期間が長くない方がもちろんいい」

 失効中だったポスティングシステムが成立したのは12月中旬で、楽天は25日に行使を容認。田中とヤンキースの契約合意が報じられたのは、1月22日だった。しかも、2013年シーズンに24勝無敗1セーブ、防御率1.27というとてつもない成績で楽天を初の日本一に導いたこともあり、オフは各表彰などで超多忙の日々。その中で移籍先を絞り込む必要があった。

 一方、今オフも失効中だったポスティングシステムはすでに合意に達し、日本ハムは12月1日(日本時間2日)にも申請が可能となる見込み。しかも、フリーエージェント(FA)選手の契約への影響を恐れているMLB選手会の要望により、大谷は21日間で契約を結ばなければならなくなった。MLB球団との交渉期間は短くなるものの、移籍先が早く決まれば、キャンプインへ向けて準備期間は長くなる。

 田中は「(自分の時は)めっちゃ(時間が)かかりましたよね。僕が決まったのは1月20日とかそのくらいでしょ。本当にバタバタしてました」として、大谷については「早く決まるわけだし、どうなるんだろうっていう期間が長くない方がもちろんいいと思うので」と言及。去就の早期決着はプラスに作用すると見ている。

 大谷の移籍先として、ヤンキースが大本命との見方をする米メディアは多いが、本人の気持ちはまだ誰にも分からない。田中と大谷が超名門球団の先発ローテーションを形成することを期待する声もあれば、2人の対戦を見たいという声もあるだろう。大注目の1か月となることは確かだ。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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