元佐田の富士関まわし寄贈

 5月の大相撲夏場所限りで現役を引退した元佐田の富士関の中村親方(32)=本名・山本哲博(あきひろ)、境川部屋=が11月29日、出身地の南島原市役所を訪れ、年寄襲名を報告し、愛用の化粧まわしを市に寄贈した。近く市役所で展示される。

 同市加津佐町出身。2003年初場所で初土俵を踏み、11年九州場所で新入幕を果たした。最高位は西前頭2枚目。まわしは、同市南有馬町出身の彫刻家、故北村西望氏が制作した平和祈念像の刺しゅうが施され、地元後援会から11年に贈られた「一番のお気に入り」という。

 市役所で「現役の14年半は短く感じたが、やれることはやったので悔いはない」と振り返り、「境川部屋から、自分に続く本県出身関取を輩出したい」と抱負。山口周一副市長が「地元は佐田の富士関の取組に盛り上がった。後進の指導を頑張ってください」とねぎらった。

 中村親方は取材に「南島原から『相撲にチャレンジしたい』という子がいれば市を通じて連絡してほしい。すぐに会いに行きます」と語った。

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