特殊鋼倶楽部、経産省に要望書 サプライチェーンの取引適正化で

 特殊鋼倶楽部(会長・石黒武大同特殊鋼社長)は30日、特殊鋼に関わるサプライチェーン全体の取引適正化に向けて、価格決定方法の適正化問題の改善と実態調査に関する要望書をまとめ、経済産業省金属課に提出した。特殊鋼メーカーと最終ユーザーの間にいる下請け事業者の取引条件改善が図られないと、日本のものづくりの競争力が維持・発展できなくなると懸念。価格決定方法の適正化問題(合理的説明のない価格低減要請の禁止、原材料価格・エネルギーコストや労務費上昇の取引価格への反映)に焦点を当て、適正化ガイドラインの再徹底や自動車・部品産業の自主行動計画の実態調査、中小企業の取引実態調査、不適切事例の指導・改善を要望した。

 特殊鋼倶楽部は政府の未来志向型の取引慣行に向けた取り組みを受け、価格決定方法適正化、コスト負担適正化、支払い条件改善の3課題に力点を置き検討を行ってきた。これら検討を経て、「未来志向型の取引慣行に向けて『世耕プラン』に関する要望」をまとめた。

 特殊鋼倶楽部はメーカー、商社・流通で構成し下請け法の対象外である大企業も含まれるが、受注者としては同様の問題に直面しており、サプライチェーン全体にわたる取引環境改善の実効性を高めることを求める。

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