JAPIC、首都直下地震で報告書 東京の自治体連携を提言

 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、会長・宗岡正二新日鉄住金会長)は30日、首都直下地震に備え自治体連携を促す調査報告書を公表した。今後内閣府の防災担当や国土交通省、環境省、東京都へ提言し、具現化に向けて必要な制度の見直しなどを訴えていく。

 調査は防災委員会(委員長・河田惠昭関西大学特任教授)の第1ワーキンググループが実施。千代田区と中央区、江東区の3区をモデルに、相互支援協定を結んでいる北区や、地元の民間企業を含めヒアリングや実地調査を行った。

 調査では「世界的にも初の試み」(河田委員長)として、地震が起きた際の被害をタイムラインで分析。具体的な災害を想定し、どのような自治体連携や支援拠点の整備が必要か検証した。

 WGリーダーを長く務めた元鹿島建設の横塚雅実・産業施設防災技術調査会主席研究員は「複数の再開発計画も相互協力して支援施設の規模を大きくできれば有効活用ができる」と指摘。「その障壁となる制度上の問題見直しや、都心の自治体連携推進につながれば」と話している。

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