「生き活き隊」で活性化 高齢化の団地、住民立ち上がる

 長崎市西海町の琴海ニュータウン2区自治会(306世帯)が、「生き活き隊」と名付けた八つのグループを設け、レジャーやボランティアなど多彩な取り組みを進めている。住民の自主的な活動を引き出しながら、高齢化が進む団地で自治会活動の活性化を図る試みだ。

 生き活き隊は昨年9月、自治会の呼び掛けに応じた住民有志が結成した。旅行やもちつきなどを企画する「楽しみ隊」、夏にラジオ体操をする「元気になり隊」、漢字検定や筆ペン習字などに挑戦する「はつらつ学び隊」など。住民が都合のよい時に自由に参加できる活動だ。

 このうち「守り隊」は今村博年さん(70)ら8人。月2回地域を巡回して独居老人宅に声掛けをしたり、登校する子どもの見守り活動をしている。「人と人とのつながりが希薄化している中で、地域の交流を深めたい」と今村さん。

 背景には団地特有の事情がある。1970年代に開発された同タウンで家を購入したのは、市中心部に通うサラリーマン。住民同士で濃いつながりが形成されることなく時が経過した。子世代が独立して団地を出て行くと、残った親は年を取るととともに活力を失いがちになり、自治会活動も停滞。加入率は6割に低下した。

 そんな現状を何とかしたいと乗り出したのが昨年4月、会長に就任した浦江顕一さん(49)。40代という異例の"若い"会長のアイデアと行動力に、団塊の世代を中心とする住民が呼応して生まれたのが生き活き隊だ。「どうせ自治会活動をするなら住民が楽しく自主的に参加できるものにしたい。そして琴海ニュータウンに家を建ててよかったと思えるまちづくりができたら」と浦江さんは話している。

琴海ニュータウン2区自治会が設けた生き活き隊の一つ、「守り隊」のメンバー。月2回地域を巡回しながら住民と会話を交わす=長崎市西海町

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