鷹上林、4倍超え増の3500万円で更改も…今季は「4対6で悔しい思いが多い」

契約更改に臨んだソフトバンク・上林誠知【写真:藤浦一都】

今季飛躍も「あまり結果を残してないのに上げてもらって申し訳ない気持ち」

 ソフトバンクの上林誠知が1日の契約更改およそ4倍増の推定年俸3500万円でサインした。

 今季の上林は、134試合に出場し、打率.260、13本塁打、51打点、12盗塁を記録。2015年には打率.318を残したが、その年の出場はわずか15試合。今季は1軍に定着して、打率以外でキャリアハイの数字を叩き出した。球団側からも「シーズンを通して結果を残してくれた」という評価を受けて、4倍強のアップ査定となった。

「まったく納得できる数字ではないですが、少しは結果が残ったのでそこは自信にしてもいいのかなと思います。あまり結果を残してないのに上げてもらって申し訳ない気持ちもありますが、また来年優勝に貢献できるように頑張りたいです」

 今季、筑後の寮住まいだった上林は、シーズン前半はホテル住まい、後半は寮からの通いを強いられた。車で1時間強かかる“通勤”が成績に響いた面もあるようで、このオフには一人暮らしをスタートさせた。それでも後輩たちのために1軍の寮通いを改善してもらえるように球団側にも訴えたという。

 また、シーズン後には甲斐拓也とともに稲葉ジャパンの一員にも選ばれ、チームを救う起死回生の同点弾を放った。「そのホームランだけでしたが、いい打席も数打席あったのでそれを維持できるようにしたい」と、貴重な経験をプラスに変える。

オフは内川と自主トレへ、「確実性を吸収したい」

「近藤さん(日本ハム)や西川さん(広島)は、ミートというかタイミングの取り方がすごいと思いました。そういういいところは吸収していきたいですね」

 また、自主トレは来年も内川聖一とともに行うという上林。「日本一の打者だと思っているので、内川さんの確実性を吸収したい」と意気込む。来季の目標は体重増によるレベルアップだ。

「全体的に物足りなさを感じているので、身体を一回り大きくしたいし、レベルアップしていきたい。シーズンを通して活躍することの難しさを体感できたので、それをいい経験として、打率3割、本塁打15本から20本を目標にしたい。特に率にはこだわりたいですね」

 今季を振り返って「4対6で悔しい思いの方が多い」と語った上林。「本当の勝負の年になる」という来季は、自分の力で悔しい思いとうれしい思いを比率を変えていくつもりだ。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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