ポスティングでメジャー挑戦へ、日本人投手は「大谷だけではない」
日本ハムは、大谷翔平投手のポスティングシステム(入札制度)の申請手続きを取ったことを発表した。本人もメジャー各球団と交渉を持つためにロサンゼルス入りしたことで、アメリカで“大谷狂想曲”が高らかに鳴り響く中、メジャー挑戦の期待が集まる「もう一人の日本人投手」もひっそりと話題になっている。
「このオフにMLBにポスティングされることになるもう一人の日本人選手、カズヒサ・マキタに出会う」
こう特集したのは米メディア「SBネーション」だ。
「この12月に二刀流のスター、ショウヘイ・オオタニがポスティングにかけられたことがビッグニュースだったが、彼だけではない。ベテラン右腕カズヒサ・マキタも程なく続くことになる」
二刀流のスーパースター“じゃない方”の日本人投手という立ち位置となった牧田だが、記事ではその独特の投球フォームに注目。「彼はサブマリンの投手だ」とした上で、「マキタは右に深く沈み込む。腕をマウンドに擦るようにしながら、ホームプレートにボールを投げ込む」と表現している。
そのサブマリン投法を紹介するために、往年の名クローザーも引き合いに出している。1980年代にロイヤルズなどで通算244セーブと活躍し、最多セーブを5度記録した名右腕ダン・クイゼンベリー、そして、レイズなどで通算127ホールドをマークしたチャド・ブラッドフォードだ。
高く評価される「先発とリリーフでの経験」
そんな牧田の武器は「煙と鏡」。つまりマジシャンが用いる巧妙なトリックだと指摘した上で「100マイル(約161キロ)を投げるオオタニとは異なり、マキタのファストボールは80マイル(約129キロ)そこそこ。その代わり、彼はボールを動かし、幻惑させることで打者を打ち取る」と評価している。
そして、「先発とリリーフでのベテランの経験」も特筆している。
2013年と2017年のWBCでは侍ジャパンの一員として活躍。西武では先発投手として110試合に登板し、防御率3.00という成績を残したことも紹介している。一方で、ここ2シーズンは救援に固定され、108試合で登板して141回1/3を投げ、防御率1.91、78奪三振21四球をマークした牧田。1年目には22セーブも挙げており、記事では、先発でもブルペンでも起用できる万能性も紹介している。
また、メジャーの新労使協定で25歳以下の大谷はアマチュア扱いでしばらく最低賃金を手にすることになるが、牧田はメジャー契約を手にできる権利を持っていることも紹介。大谷がメジャーのオフの話題を一手にさらう中、サブマリン右腕も現地で高い評価を受けているようだ。
(Full-Count編集部)