中村駿介「浦和レッズユースにいた自分がマルタに来た訳」

みなさん、はじめまして!中村駿介です!

と言っても僕をご存知でない方もいらっしゃると思うので、これまでのキャリアを簡単に紹介すると、浦和レッズの(※)下部組織出身で専修大学を卒業後、現在はヨーロッパにあるマルタという国でプロサッカー選手をやっています。年齢は現在23歳、ポジションはMFです。

また、その傍らマルタでの様々なサポートを行うサービスも立ち上げ、個人事業主としても活動中です。

なので、サッカーの話はもちろんのこと、マルタでの生活についてもお話できればと考えています。マルタと言われても、ほとんどの方がピンとこないと思うので…。

さて、記念すべきコラム第一弾ですが、まずは「なぜ僕が何故マルタに来てプレーをしているか」について書きたいと思います。

なぜ中村駿介はマルタに来てプレーをしているのか…それはズバリ、僕が「安定思考」だったからです!

と言われても、ちょっとよくわかりませんよね?(笑)なので、少し説明させてもらいますね。

実は大学卒業後、僕は就職を考えていたんです。

それもあって、宅建やファイナンシャルプランナーの勉強とかもしていて、ファイナンシャルプランナーに関しては三級ですが資格を取りました(笑)

しかし、「まだもう少しだけサッカーがやりたい」という考えもあり、「それなら引退後の事も考え英語を学びながらサッカーをしよう」と英語圏であるマルタに来たんです。

「英語が話せるようになりたい」とは常に頭にあったんですが、マルタに来た当時の僕は「後1、2年だけ英語を学びながらサッカーをして、引退したら就職しよう」なんてことも考えていましたね。

正直言って、昔の僕は「良い給料をもらうためにやりたくない仕事もやる」と「給料が少なくても好きな仕事をやる」を天秤にかけたら、確実に前者を選択していた人間でした。

資格を取ったり、英語を身につけようとしたのも「それがあれば、それなりのお給料を貰える会社に入るためのプラスアルファになるかな」という考えがベースにあって、それを元に行動していた感じです。

つまらない人間と思いましたか?(笑)

ただそれには理由があって、今振り返ってみると、「浦和レッズユースでプレーしていた」ということの影響が強かったと思います。

僕の同期、先輩、後輩にはJリーガーになった選手が多く、よく一緒に買い物に行ったり食事をしたりしていました。

そして彼らは、良い車に乗って、イケてる高い服を買って、可愛い彼女がいたり…という人間ばかりでした。

まぁ、(※2)清水慎太郎と前田直輝が中心ですけどね(笑)

で、そんな彼らとつるんでいた僕は、いつの間にか「あー、やっぱり俺もお金欲しいなぁー」なんて考えるようになっていたというわけです(笑)

また、本当にありがたいことに、僕の親もやりたいことをやらせてくれて、何不自由ない生活を送らせてもらっていたので、その影響もあったかもしれません。

(※)編集部注:浦和レッズユースでは、現在、ドイツ2部インゴルシュタット所属の関根貴大、浦和レッズ所属の矢島慎也らとプレーした

(※2)編集部注:現在、清水慎太郎は大宮アルディージャ、前田直輝は横浜F・マリノスに所属

でも実際に海外に来てみて、色々と感じる事や考える時間が増えたことで、その思考は一気に変わりました!!

今の自分をめちゃくちゃ極端に表すと『好きな事しかやらない、人生一回、お金は生きていけるくらい稼げればよい』という感じです!(笑)

では、なぜここまで変わったのか…。

一つは、考えさせられる体験をいくつもしてきたからです。

僕がマルタにトライアウトで来た時、あるアフリカ人選手が同じタイミングで来ていました。

当時、彼とは一緒の家に住んでいたのですが、彼はお金がなく、近くのコンビニで大量に入っている「激安食パン」を買い、それをずっと食べていたんです。

(なのに、僕より良い身体をしているのは謎ですが…)

また、これはフィリピンでタクシーに乗っていた時の話ですが、歩道橋の下で複数の家族が住んでいる光景を目にしたのです。僕はそれだけでも驚きましたが、なんとその中にはまだハイハイしている赤ちゃんもいました。

そして、その時に思いました。

「毎日ご飯が食べられて、住む家があり、生きてるということは本当に幸せなんじゃないか?」と。

そして同時にこう思いました。

「やりたい事がやれる環境にあるのに、贅沢を求めてお金ばかり考えていた自分はなんなんだ!」と。

とは言え、実際問題、お金はめちゃくちゃ大事です。

お金はあればあるほど、色々とやれることの幅が広がるだろうし、家族などがいたらその必要性も高まるでしょう。

「仕事は家族のためだ」と考えていたり、「嫌な仕事を耐えて得たお金を自分の大好きな趣味のために使う」という方もいると思いますし、それはそれで最高な生き方だと思っています。

なので、僕はお金のために嫌な仕事をしながら働いてる人を否定しているわけではございませんので、あしからず!

また、思考が変わった理由の一つには「常に死を考えて生き始めるようになった」ということもあります。

僕の身近には、父を含め、若くして亡くなった方が何人もいます。中には同い年の方もいました。

人生は本当にいつ終わるかわかりません。

もし、「近々、あなたは死にます」と言われたら、あなたは好きなことやりますよね?「10年後に死にます」と言われても同じだと思います。

少し脱線をしましたが、僕は好きなことをやれる環境にいる自分も幸せだと思っています。なので、この状況に感謝しつつ、全力で今を生きようと考えています。

そして、英語を喋れたら、引退後にやりたいことを見つける時の選択肢の幅も確実に広がると思うので、英語も全力で頑張ります!

あ、もちろん、サッカーもですよ!!ここから行けるところまで登って行きます!!!

という感じでまとめたコラム第一弾ですが、サッカーについて全然書いてないですね…書き終えてから気がつきました(笑)

プロになりたいという選手の手助けになれたらと『c.t.c』というサービスを立ち上げ、今後はそこも色々と広げていけたらと考えていますし、サッカーの話はまた改めてします(笑)

次回も楽しみにしてください!

【外部リンク】マルタを中心にサッカー海外挑戦をサポートする『c.t.c』

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