ヘガネスジャパン、鉄粉値上げ 電炉用電極価格急騰に対応、来年4月出荷から5000円

 世界最大の鉄粉メーカー、ヘガネス(スウェーデン)の日本法人であるヘガネスジャパンは電炉用黒鉛電極の価格急騰を受け、2018年4月出荷分から水アトマイズ鉄粉をトン当たり45米ドル前後(約5千円)値上げする方針を固めた。ヘガネス全体では欧米や東南アジアで1月出荷から同様の値上げを行うが、日本市場向けは生産~納入のリードタイムが若干長いため、価格改定のタイミングをずらす。

 耐火レンガなど諸資材コストが上昇しているが、電極以外のコスト上昇分は自助努力で吸収を図る。

 ヘガネスの鉄粉(純鉄粉、合金鋼粉など)は大別して水アトマイズ鉄粉、還元鉄粉、ガスアトマイズ鉄粉があり、7~8割を占める水アトマイズ鉄粉は粉末冶金向けなどで最近も比率が高まる傾向にある。水アトマイズ鉄粉は電炉法で製造しており、製鋼工程における電極コスト急騰分を転嫁する。

 電極の海外市場では1~12月の年間契約が一般的で、ヘガネスは複数ソースの18年市場価格が17年当初価格に対して5倍以上に急騰するとみている。17年の間も購入価格は上昇したが、鉄粉価格への反映は見送っている。

 海外では18年1月出荷から電極急騰を鉄粉価格に反映する動きが広がる。最大手のヘガネスだけでなく2位のヘガネス・コーポレーション、3位のリオティント・メタル・パウダーズも値上げを表明している。

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