ノーベル平和賞のICAN事務局長、長崎へ 来年1月、被爆者と対談

 今年のノーベル平和賞に決まった非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のベアトリス・フィン事務局長が、来年1月中旬に長崎市を訪れることが5日、分かった。授賞決定後、初めての被爆地訪問となる見通し。核廃絶をテーマにしたシンポジウムで講演し、被爆者と対談する予定。

 複数の関係者によると、シンポジウムは同市平野町の長崎原爆資料館で開催。主催する長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)がフィン氏を招待しており、ICAN国際運営委員の川崎哲氏(49)も出席するという。

 フィン氏は、被爆者で日赤長崎原爆病院名誉院長の朝長万左男氏(74)と対談する予定。朝長氏は核保有国と非保有国の有識者が核軍縮の方策を話し合う「賢人会議」の委員で、今年6月には米ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器禁止条約の制定交渉会合に出席し、長崎市の代表として演説した。

 このほか、フィン氏と学生が意見交換する場をつくれないか大学側が調整している。

 ICANは被爆者らと連携し、核兵器を法的に禁止する条約の実現に尽力。フィン氏は今月10日にノルウェー・オスロで開くノーベル平和賞の授賞式に出席し、広島で被爆したサーロー節子さん=カナダ在住=と共に演説する。

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