県産イチゴ「ベリーツ」 8年かけ新品種

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県のオリジナル品種「ベリーツ」=県農林水産研究指導センター
ベリーツをPRする県いちご販売強化対策協議会の田中広幸会長(右)=6日、大分市のアミュプラザおおいた

 大分県が8年をかけて開発したオリジナルイチゴ品種の本格出荷が今冬、始まる。県は6日、名称「ベリーツ」を発表し、大分市で披露イベントを開いた。ベリーツは糖度が高く、従来品種に比べ日照時間が少ない時季でも色づきが良いという。イチゴは品種の優位性が販売に直結し、産地を抱える各県が品種改良競争を繰り広げている。県も優れた“ご当地品種”を投入することで、他産地との違いを出し、生産者の収益安定化につなげる。

 名称はストロベリーとスイーツ(甘味菓子)を合わせた造語。「スイーツとなるイチゴの意味を込めた」(県)という。

 開発した県農林水産研究指導センターによると、現在、県内で栽培の多い「さがほのか」(佐賀県が開発)と比較しても、平均して糖度が高い。厳寒期に色が薄くなる品種もあるが、ベリーツは鮮やかな赤に色づく。高値で取引される12~2月の収量が従来品種に比べ1割程度多いという。

 一方で、1株から出る芽の数が多い傾向がある。粒の成長を促すため、余分な芽を摘み取る作業が必要となるケースもある。指導センターは「適した芽の数や肥料のやり方といった栽培方法の研究を進め、生産者に技術支援していく」としている。

 今季は約1ヘクタール(19生産者)で栽培し、約350トンの出荷を見込む。本格出荷1年目で生産量が少ないため、足元からの知名度向上を目指し、県内を中心に販売する。来季以降の栽培面積拡大に向け、都市圏のフルーツ専門店で試食イベントを開催し、ネットでPR動画を公開する。来季は20ヘクタールへの拡大を目指す。

 出荷開始に先立ち6日、大分市内の商業施設でお披露目イベントがあり、広瀬勝貞知事が名称とロゴデザインを発表した。試食した広瀬知事は「少し酸味があり、だからこそ甘味が利いてくる」と味わいを説明。通行人や買い物客ら150人に無料で配った。7日に大分市公設地方卸売市場で初競りがあり、同日以降、県内の量販店や青果店に並ぶ。

<メモ>

 ベリーツは県が暫定的に「大分6号」と名付け改良を進めていた品種。食味に定評がある「大分中間母本」(『さがほのか』と『とちおとめ』=栃木県開発=の交配品種)と、収量が多い「かおり野」=三重県開発=を掛け合わせた。さまざまな遺伝子を持つ2318株の中から絞り込んだ。商標登録済みで、品種登録を申請中。

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