県内の関連死申請「却下」57% 45人が不服申し立て

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 熊本地震による熊本県内の震災関連死認定で、57・2%が申請を却下されており、認定者数を上回っていることが6日、熊本日日新聞社の調べで分かった。遺族が申請したのは23市町村の596人。審査済みの460人のうち認定は197人で、263人が却下されている。

 却下が最も多いのは、熊本市の120人(審査済み193人)。16人の益城町(同37人)、15人の御船町(同24人)、13人の阿蘇市(同33人)が続く。

 却下に納得していない遺族からの不服申し立ては45人。熊本市24人、益城町6人、御船町3人など。このうち熊本市の5人と益城町の3人については、却下の理由を遺族に説明していない不備を不服審査会が指摘。熊本市の1人が却下決定を取り消されている。

 熊本市は審査待ちや審査継続中の未決が118人で、審査が進めばさらに認定者が増える可能性が高い。一方、ほかの市町村では申請が減り、未決はごくわずか。申請に関する相談もなくなりつつあるという。

 震災関連死は、壊れた家の下敷きになるなどの「直接死」ではなく、避難生活の疲労や持病の悪化、被災のショックなど間接的な原因で亡くなること。肺炎や内因性心臓死などが目立つほか、車中泊に起因するエコノミークラス症候群や自殺もある。

 遺族が市町村に申請し、医師や弁護士などからなる審査会が地震との因果関係を審査。認定されると最大500万円の災害弔慰金が支給される。

 東日本大震災では、宮城県などが一部市町村の審査会を代行。しかし、独自に審査会を設置した市町村や県との間に基準のばらつきがあったとして、不服申し立てでも認められなかった遺族が相次いで訴訟を起こす事態となっている。

 熊本地震では、県は審査会を代行せず、市町村の認定業務を支援。県が選定に協力した同じ顔触れの委員が複数自治体の審査に当たっており、益城町や西原村など16市町村が活用している。

 一方、熊本市や阿蘇市、高森町など7市町は「審査の迅速化が図れる」として独自に委員を選定。単独で審査会を設置している。(上田良志、中島崇博)

(2017年12月7日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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