新日鉄住金、「片倉の鋼管」を子会社化 引抜鋼管のグループ競争力強化

 新日鉄住金は6日、持ち分法適用会社の引抜鋼管メーカー、片倉の鋼管(本社・兵庫県尼崎市、社長・今本康文氏)の株式を追加取得し、来年1月下旬をめどに子会社化すると発表した。両社の素管製造と冷間引抜加工の技術を持ち寄ることで、グループの競争力を強化。市場ニーズに対応した高品質製品の開発・提供を行う。

 片倉の鋼管は1955年設立。資本金は1億円で、年間売上高は66億円(2016年度連結実績)。現在は新日鉄住金が24・9%出資している。製造拠点は本社の阪神工場と広島工場(広島県東広島市)。中大径サイズの冷間引抜加工が得意分野で、建機や自動車部品メーカーに部材を供給している。

 6日に株式譲渡契約を締結。新日鉄住金は出資比率を約80%にまで高める。公正取引委員会の審査終了次第、来年1月下旬をめどに子会社化。4月には商号を「日鉄住金片倉鋼管」に変更する。

 建機・自動車用鋼管は環境規制強化などから、部材の軽量化・高疲労耐久化など高機能品のニーズが高まると見込まれている。子会社化で新日鉄住金の素管製造技術と片倉の鋼管の冷間引抜加工技術の連携を強化。市場・顧客ニーズの変化に柔軟に対応できる製品供給体制を構築する。

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