【発言】「法王は日本文化を尊重」

バチカンのパロリン国務長官

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バチカンのピエトロ・パロリン国務長官=11月、バチカン

 日本とバチカンの国交樹立75周年を機に、バチカンのピエトロ・パロリン国務長官(首相に相当)が共同通信の書面インタビューに応じた。パロリン氏は「核なき世界の実現」に向けて、唯一の被爆国の日本に対し「どんなに困難でも対話の道を選び、国際社会に積極的に働き掛けること」を求めた。(共同通信=植田粧子)

 ▽平和は評価できないほど貴重

 ―核兵器廃絶に向けて、日本に求める役割は。

 「私たちは広島と長崎の被爆の悲劇により、戦争は解決策にならず、平和とは良心的な人々の日々の努力だということに気づかされた」

 「第2次大戦後、日本は武装の道ではなく、平和と発展を選んだ。日本には対話の道を進み、平和は評価できないほど貴重なものだと世界に訴えてほしい。人間の尊厳や自然、調和を重視した日本の成長モデルを東アジア地域に示すこともできる」

 ―バチカンとはどのような連携ができるか。

 「朝鮮半島の危機が懸念され、世界は今、核問題にとても敏感になっている。このような時こそあらゆる意見を聞き、協力することが必要だ。日本は対話を尊重する国だ。バチカンはそれぞれの権利と正義に基づき、持続的で満足できる解決策を見いだすための歩みを支援していく」

 ▽信頼できる対話のみが効果的

 ―北朝鮮と米国の関係が緊張している。

 「対話はいつでも可能だが、信頼できる対話のみが効果的だ。相手の歴史を理解し、未来の発展を築けてこそ対話は成功する。今は誰も、即効的な解決策を持っていないと思う。バチカンとしては、対話と和解の手助けとなる新しい歩みを見いだす必要があると思っている」

 ―法王フランシスコの訪日に期待が寄せられている。

 「法王は日本の文化を尊重し、若いころから日本を含む東アジアの布教に関心を持っている。平和の巡礼者として広島と長崎を訪問するという(日本側の)招待に法王は感謝している。(訪問の)時期などについては神に委ねましょう」

 ピエトロ・パロリン氏 枢機卿。1955年1月17日、イタリア北部スキアボン生まれ。80年、司祭叙階。86年以降、バチカン国務省で外交畑を歩み、2009年に駐ベネズエラ大使、13年から国務長官。「優秀な外交官」として知られ、ローマ法王フランシスコが世界各地の信者の現状を知る「現場派」として起用したとされる。

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