「絶滅危惧種」サブマリンの魅力 ホークスドラ2高橋礼が目指すもの

ホークスの新入団会見に臨んだ高橋礼【写真:藤浦一都】

現在は西武・牧田、ヤクルト・山中、阪神・青柳がプレー

 西武からメジャー挑戦を目指す西武の牧田和久投手、ヤクルトの山中浩史投手、そしてややサイド気味ながら阪神の青柳晃洋投手。いま日本球界にいるアンダースローの投手である。そこに来季から、1人のサブマリンが加わる。ソフトバンクからドラフト2位で指名された高橋礼投手(専修大)である。

 12月7日、福岡市内のホテルで行われた新入団選手発表記者会見。今季日本一に輝いたホークスのユニホームに初めて袖を通した高橋は、他の10人のルーキーたちとともに緊張の面持ちで、多くのフラッシュを浴びた。球界で希少な下手投げ。「アンダースローで投げるということが1番の武器。今、プロ野球には3人しかいない。アンダースローと言えば、高橋と言われるようになりたい」と決意を込めた。

 高橋のアンダースローへの挑戦はなかなかに早い。松戸第三中学2年の冬だった。「オーバースローで投げていたんですけど、結果が出なかったんです。そこでサイドスローをやってみないか、と言われて」。多くの子供が本格派の投手を目指すであろう中で、野球少年にとっては大きな決断だったはずである。

「そこから徐々に腕の位置が下がっていって。今の高さになったのは高校3年生くらいです」

 体に負担がかかる投球フォームであるが、「意外と難しいという思いはなかったですね。肩肘に大きな怪我もなくやってこれました」と、スンナリと自分のものになったという。

最速141キロ、将来的にはメジャー挑戦の希望も

 目標とするのは、やはり球界屈指のアンダーハンドである牧田和久である。ただ、牧田と異なるのは、その球速。高橋はアンダースローから最速141キロのストレートを投げ込む。「もともと130キロちょっとだったんですけど、大学1年の冬に力が出せる、1番強くリリース出来るポイントを見つけたのが要因ですね。2年の初に141キロを計測しました」といい「スピン量の多いボールを投げたいですね。スピン量が上がれば、浮き上がるようなボールになると思うので」と理想像を描く。

「牧田投手もですけど、渡辺俊介投手もアメリカに挑戦していたので、やっぱりメジャーも見据えて日本で活躍したいですね」と、かつてロッテで活躍し、米独立リーグでもプレーした渡辺俊介投手、そして、今オフにメジャー挑戦を目指している牧田のように、米球界への思いも口にする。

 サブマリンの投手ならではの魅力を「オーバースローなら振らないような高さでも、バッターが振ってくれる。そういうところでアンダースローは楽しいなと感じています」と語る高橋。「球界で数少ない、絶滅危惧種なんて言われたりもしますけど、そういうのを無くしていくというか、これからアンダースローをやっていく子供たちとかに希望を与えられるような選手になりたい」。球界を代表するサブマリンへの挑戦がはじまる。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2