【MLB】元中日助っ人がアルトゥーベをイチローと比較「同じぐらい優秀なんだ」

マーリンズ・イチロー(左)とアストロズ・アルトゥーベ(右)【写真:Getty Images】

今季までアストロズ打撃コーチ補佐のパウエル氏、安打製造機2人を比較

 かつて中日で活躍したアロンゾ・パウエル氏は今季、アストロズの打撃コーチ補佐としてワールドシリーズ制覇に貢献。その功績が認められ、来季ジャイアンツの打撃コーチに就任することが決まった。パウエル氏は、アストロズの教え子で今季ア・リーグMVPに輝いたホセ・アルトゥーべ内野手をマーリンズからFAとなったイチロー外野手と比較。「同じくらい優秀」と評価したと、MLB公式サイトが報じている。

 パウエル氏は1992年から1998年まで中日や阪神で活躍。首位打者に3度輝き、NPB通算打率.313という好成績を残した。現役時代、メジャーでのプレーは2シーズンのみだったが、引退後はイチロー所属時のマリナーズで2010年に打撃コーチを務め、パドレス、アストロズを経て、生まれ故郷サンフランシスコの名門ジャイアンツの打撃コーチに来季から就任することになった。

 そして、就任を記念したMLB公式サイトの特集では「ホセ・アルトゥーべはあの身長だから優秀なのか、それともあのサイズに反してなのか? それとも何の影響もないのか?」という質問を受けている。公称身長167センチという小柄な体型のアルトゥーべは、“小さな巨人”としてメジャーの投手から恐れられる存在だ。パウエル氏は、今季史上5人目の4年連続200安打を達成した教え子への質問について、こう語っている。

「私は全てが当てはまると思うよ。彼はキャリアの序盤では自分自身を証明するために数多くのことを乗り越えなければならなかった。彼がトライアウトでスカウトたちに帰るように言われたっていう話は聞いたことがあると思う。そしてその時、彼の父親は“もしも、自分のトライアウトでの出来に手応えがあるのなら、(トライアウトに)戻るんだ”と言ったんだよ」

「彼はイチロー以上ではないかもしれないけれど…」

 結果的に身長のハンデを乗り越え、メジャーデビューへの道を切り拓いたアルトゥーべ。その進化の道は苦難の連続だったという。そして、パウエル氏は記事の中で、日本が誇る安打製造機とアルトゥーべを比較している。

「彼はその時から周囲の人間が間違っていることを認めさせてきたんだ。そして、今でもそれを続けている。彼はアンビリーバブルな選手なんだ。私は野球界に長くいるし、イチローに会う機会もあった。そこで思ったのは、私はイチロー以上の打者が存在するなんてこの先絶対言うことはないだろうってことだね。だが、私の(アストロズでの)最初のシーズンとなった2016年の最初の2か月で、ホセを毎日見ていた。彼はイチロー以上ではないかもしれないけれど、同じぐらい優秀なんだ。積極果敢にボールを遠くに飛ばし、長打を狙うこともするんだ」

 打撃練習では柵越えを連発するイチローだが、実際の試合では持ち前のスピードを生かした単打を重ねるスタイルだ。一方で、アルトゥーべはバッティング技術とスピードを武器にしながらも、フルスイングで一発を狙うパンチ力も大きなアピールポイントとなっている。2年連続で本塁打24本を記録しており、この長打力も大きな武器になっているとパウエル氏は分析している。

 メジャー史上30人目の3000本安打を達成したイチローは27歳にメジャーのキャリアをスタートさせた。一方、アルトゥーベは21歳でデビューし、27歳にしてイチローに比肩するほどの実力者として評価を高めている。

(Full-Count編集部)

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